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連載

帝王賞〜マーキュリーカップ(第26回)

帝王賞JpnI



 フリオーソはスタートダッシュが抜群でした。ほとんど何もせずに、サクセスブロッケンの2番手につけて、4コーナーあたりでも手ごたえは楽でした。2歳のときからこれほど長く活躍できるのは、無理使いせず、休みながら大事に使われているからでしょう。川島調教師は、そうして結果を出すところがすばらしいところです。
 カネヒキリは、ほんとうに走りますね。スタート後は前に行く馬をよく見ていて、14番枠から内に入れました。このあたりは横山騎手のうまいところです。向正面では好位6番手の内につけて、手ごたえも楽でした。ゴール前ではフリオーソに迫りました。1年以上の休み明けで、この結果はたいしたものです。
 ボンネビルレコードは、的場騎手が馬もコースも知りつくしているからということもありますが、内ラチ沿いをぴったり回ってきて、好騎乗でしょう。
 スマートファルコンは、もう少しやれるかと思ったのですが、こうした一線級との対戦が少なかったですから、今後経験を積んでペースに慣れてくればということろでしょう。
 サクセスブロッケンの内田博幸騎手は、内枠だから最初から行くつもりだったのでしょう、スタートしてから300メートルくらい追って行きました。控えてフリオーソのうしろにつけて行ってもよかったのではないでしょうか。それでも先手が奪えたのはよかったと思いますが、さすがにあれだけ無理に行っては最後にバテてしまいました。本調子ではなかったこともあったかもしれません。
 ヴァーミリアンも、4コーナーあたりではいい手ごたえで外から上がってきましたが、直線はまったく伸びませんでした。ここを使って、次はおそらく武豊騎手に戻るでしょうし、調子を上げてくるのではないでしょうか。



スパーキングレディーカップJpnIII



 ラヴェリータは外枠からのスタートで、まったく追うことなくいいところにつけました。泥をかぶらずに行けたのはよかったですね。相手になるであろうトーホウドルチェを見ながら、いちばん楽にレースができたと思います。もともと力はありますが、この馬は気分よく行かせれば、強いレースをします。
 キープザチェンジとタッチブライトが思い切って行ってくれたことで、外枠にいた中央3頭の有力馬にとっては、他の馬がじゃまになることもなく、いいペースでレースが進められました。向正面でラヴェリータとトーホウドルチェが先頭に立ったあたりは、もう力の違いですね。特にラヴェリータは4コーナーあたりでも楽で、トーホウドルチェとも手ごたえが違っていました。
 テイエムヨカドーは、3着のウェディングフジコから5馬身離されましたが、この馬の力は出していると思います。



ジャパンダートダービーJpnI



 マグニフィカは好スタートでした。最初の直線で一旦は控えましたが、無理に抑えずハナに行ったのがよかったと思います。内枠にいたバトードールが前にいましたが、戸崎騎手が少し折り合いを欠いていたのを見て、安藤騎手が譲ってくれたような感じでした。ここでほとんど勝負が決まったと思います。そのあとはあまり速くはならず、いいペースで行けました。あそこで2番手に控えていたら、勝てなかったかもしれません。最後は一杯になっていましたが、ほんとうにギリギリ粘ったという感じでした。それにしても、大きいレースで馬の力を発揮させる川島調教師はたいしたものです。
 コスモファントムの内田騎手もスタート後は2番手あたりに行くつもりだったかもしれません。それでも、バーディバーディが外から行ったのを見て抑えました。早めに2番手につけて、最後はよく差を詰めてきました。
 バトードールの安藤騎手は、スタート後、最初は行く気だったような感じでした。あそこでハナを主張していればもっときわどいレースになったかもしれません。
 ミラクルレジェンドは、最後の直線で抜け出そうとしたときに、外の馬に寄られて行き場をなくすような感じになったのが残念でした。
 バーディバーディは、マグニフィカの直後2番手つけました。ただ4コーナー手前あたりでは一杯に追っていました。無理に2番手に行った感じではなかったですが、最後にバテてしまったのは案外でした。池江(泰郎)調教師のコメントにもありましたが、少し疲れがあったのでしょうか。



マーキュリーカップJpnIII



 カネヒキリは帝王賞2着のあと、相手の軽い、いいレースを使ってきました。このメンバーでは格が違いました。大事に使っていけば、まだまだ活躍できるでしょう。
 ブルーラッドは、さすがに浦和記念を勝っただけのことはあります。ただ今回は、前とはやや離れた5番手からで、勝ちに行くというレースではなく、気楽に乗ったのが結果につながったと思います。結果的には、これでよかったのではないでしょうか。
 マコトスパルビエロは1番枠に入ったこともあり、やはりハナに行きました。500キロを超える大型馬で、前に行けばそのまま粘るかと思って見ていましたが、意外に粘れませんでした。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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