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連載

第22回 2010年5月20日 マンボツイスト

 平安Sを皮切りに、名古屋大賞典、マーチSと3つのタイトルホルダーとなり、01年〜03年のダート界で存在感たっぷりだったマンボツイスト。

 中央から岩手に転厩後も大活躍。10歳で地元の栗駒賞を制すると、その年のクラスターカップは5着、東京盃では4着。

 管理していた岩手の伊藤和調教師にお話しを伺った時のことを思い出します。「10歳ですが、まったく体の崩れはありませんし、7〜8歳くらいにしか見えませんよ。今も素晴らしい切れ味を持っています」(伊藤調教師)。10歳のマンボツイストが岩手代表として果敢に戦う姿は、夢と希望を与えてもらった方も多かったでしょう。

 06年9月のレースを最後に現役から退き、現在は相馬野馬追が盛んな福島県南相馬市にあるホシファームで功労馬として過ごしています。今年15歳になりました。

 ここにやって来たのは、一昨年の12月。そもそもは元気いっぱいだったそうですが、来る前にセン馬になったこともあり、「おとなしくなりました。昔では考えられないと思いますが、今は誰でも乗れるくらいですよ」とホシファームの星英二さん。それでも気の強さは十分に持ち合わせているそうで、今でも威圧感はたっぷりのようです。

 現在は功労馬として過ごしているので、主な仕事は日課の放牧。のんびりと悠々自適な毎日を送っているそうです。

 「風邪も引かないし、健康状態はとても良いですね。とにかく食欲旺盛で、ニンジンやリンゴは特に喜んで食べますよ。ポテッとした体つきで太っているくらいです(笑)」(星さん)。

 現役時代は468キロからスタートしましたが、最終的には500キロ台になりました。現在は、540キロ〜50キロくらいはあるのではないかと言われているほど、雄大な体つきになっているそうです。

 「うちには22歳のメイショウレグナム(95年小倉大賞典)もいるんですが、おじいちゃんなのによく食べるんです(苦笑)。そういうことも元気の秘訣かもしれませんね。マンボツイストにも長生きして欲しいと思います」(星さん)。

 ホシファームには、マンボツイストやメイショウレグナムの他にもブリリアントロードも余生を送っています。見学などに関しては、競走馬のふるさと案内所内にあるホシファームのページでご確認下さい。

 星さんは、こんなことも言っていました。「(マンボツイストは)競走能力を、競馬場で出し切った感じです」と。今度はこの生活を、謳歌して欲しいです。ひと握りだけの最高の幸せをつかんだんですから!

高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。

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