Web Fulongトップページレースハイライト特集クローズアップ連載サイトマップ
連載

第29回 2011年1月7日(金) もつ煮込み など(川崎競馬場)

川崎競馬場
志ら井 もつ煮込み(450円)

フリーライター 土屋真光

 「おい! 土屋! 貴様今日はどこにいる!? 」(一部誇張アリ)
 まだ正月気分真っ只中の1月3日のお昼時、地全協広報のS口氏からと1本の電話が入った。聞けば、「オススメの逸品」の前回の担当である北本アナウンサーが、次の走者が見つからずにタスキを持ったまま右往左往しているという。困ったときはお互い様。幸いにしてこの日は報知オールスターカップの行われる川崎競馬場に行く予定。すぐ脇を駆け抜けた箱根駅伝よろしく、きっちりとタスキを繋げる所存だ。

 川崎競馬場といえば、全国でも屈指のギャンブルフードの宝庫。焼きそば、たんめん、お寿司にコロッケと枚挙に暇がない。はてさて何をオススメにしようかと、自慢の胃袋データベースと相談した結果、今回は「志ら井」の「もつ煮込み」を紹介させていただくことにした。意外にもこのコーナーでの登場回数が少ないが、モツ・ホルモンといった内臓モノは鉄火場のソウルフードと言っても過言ではない存在。なにより私はモツ類が大好きだ。私のお腹の中もモツ類で構成されるほどだ(そりゃそうだ)。



 この志ら井は、現在2号スタンドの2階に2箇所、3階に1箇所店を構えている。以前は競馬場の3号スタンド、つまり送迎バス停側の入場門から最初のスタンド1階にもあったのを、ご記憶の方も少なくないと思う。こちらは昨年、スタンドの閉鎖に伴い閉店となってしまった。残念。




 志ら井のもつ煮込みは、シンプルイズベストの直球勝負。野菜類は加えず、モツの他の具はこんにゃくだけ。モツも脂身の豊富な牛の白モツのみとこだわっている。これを丁寧に下ごしらえし、毎開催初日の前日から3種類の味噌を合わせた企業秘密(店主談)のたれとじっくり煮込む。味の深みを支えるのは、川崎競馬場と同じ創業以来注ぎ足しているという煮汁。数多の名駿の時代を経てきた味だ。薬味のねぎと七味は食べる側がお好みで。ひとくち口に運ぶと、プチュッとした脂身の感触と、タレが染み込みホロッと崩れるモツの食感、こんにゃくの弾力が三「味」一体で口の中で繰り広げられる。オー! ワンダホー!


 食いしん坊さんには、このもつ煮込みをライスに乗せた「煮込み丼」(650円)もオススメ。更に、それを超えるのが「カレーライス」(500円)を別注して、この煮込みをぶっかけてしまう禁断の荒業「もつカレー」(土屋命名)だ。これを食せば、どんなハラヘリも「モツカレ様ー!」と吹っ飛ぶこと請け合いである。




 そして、字数はオーバーしているのに敢えてもう1品。パドック脇の入場門から入って左手にある、「はるかぜ」の「甘酒」(150円)を。外からの甘みは極力抑え、酒粕の持つ風味を活かしたそうで、飲むごとに体の中からポカポカとなるので、冬場の競馬観戦にはもってこい。ちなみに夏場も冷やし甘酒として売っているそう。


 さて、今月26日には、中央・地方通じて今年最初のGI(JpnI)川崎記念が行われる川崎競馬場。煮込みの味もより深まるような名勝負を楽しみに、是非とも足をお運びください。


※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。
Back Number

オススメの逸品 佐々木竹見の見解 気になるあの馬は… REWIND 90s