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連載

東京スプリント〜マリーンカップ(第23回)

東京スプリントJpnIII



 スーニはほんとうに強くなりました。4コーナーでは狭くなってなかなか出ることができませんでしたが、あのあたり、川田騎手は焦ったかもしれません。それでも外のミリオンディスクを押しのけるようにして抜けてきました。こうしたところで下がってしまわずに、抜け出してこられるあたりはさすがにJpnI馬です。
 フジノウェーブは、8歳でもまだまだよく走ります。向正面では早めに外に出しました。そのまま4コーナーで大外を回ったことで、3〜4馬身くらい遅れました。向正面で最内の好位にいたスーパーヴィグラスのうしろあたりについて行けば、直線では内があいていましたから、内から抜けてくることができたと思います。ただそれも結果論で、あとからビデオを見て言うのは簡単ですが、包まれて出てこられなくなることもあるので、あそこで内を突くかどうかの判断はとても難しいです。
 ポートジェネラルはスタートが速かったですね。直線でもよく粘っていましたが、おそらくスーニの川田騎手のほうは、つかまえられるだろうと思って乗っていたと思います。
 今年の船橋のJBCスプリントは、スーニとフジノウェーブの対戦が楽しみです。



マリーンカップJpnIII



 トーホウドルチェは、内枠のケイアイガーベラを前に行かせて2番手からでした。これはおそらく予定どおりでしょう。1400メートルまでしか実績がありませんでしたが、最後までよく粘りました。地方の小回りなら1600メートルでも我慢できるのでしょう。
 ラヴェリータにとっては、ちょっともったいないレースでした。4コーナーで外に出すのかと思って見ていたのですが、直線では前の3頭が壁になって行き場をなくしてしまいました。今回もスタートはあまりよくなかったですね。それでも向正面で外に出していい位置につけました。それからは馬がクビをグッと前に出して、気分よく走っている感じでした。4コーナーでは外からかぶされる馬もいなかったですから、外に持ち出していれば、楽に1馬身は差をつけて勝っていたのではないでしょうか。それでも最後はケイアイガーベラが下がったことで、ようやく前があきました。もしケイアイガーベラが下がらなければ、2着もなかったかもしれません。
 ユキチャンは、うまく外に持ち出していい位置を追走できました。ただ、まだ口向きが固いですね。向正面に入ったあたりでは、掛かるような感じで前に並びかけて行きました。それでも最後までよく粘ったと思います。競り合いになるとがんばりますね。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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