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2010年4月14日(水) 船橋競馬場 1600m
ゴール前の接戦をハナ差しのぐ、牝馬ダート戦線に新星誕生
9歳牝馬メイショウバトラーが、重賞10勝目を決めた貫録の勝利から約10カ月。今年も好レースが展開された。実績ナンバー1のラヴェリータを筆頭に、上がり馬ケイアイガーベラ、白毛のアイドルホース・ユキチャンが単勝10倍以下の人気で三つ巴。
優勝したのは、四位洋文騎手が手綱を取った中央5勝の実績馬トーホウドルチェ(4番人気)。昨年はプロキオンステークスGIIIでの惜しい2着で重賞タイトルを逃したが、今回は地方競馬初参戦で重賞ウイナーに見事輝いた。
「ここ数週間、攻め馬をつけていて状態が良いのはわかっていました。一生懸命走り過ぎるところがあるので、折り合いがポイントでしたね」と四位騎手。
ケイアイガーベラが先手を取り、トーホウドルチェはスーッと2番手へ。3番手外めにはユキチャンで、その後ろにはラヴェリータとダイアナバローズが続き、人気上位馬が先団を形勢し、そのまま掲示板を独占することになる。
「折り合いはつきました。あとは、ユキチャンと岩田君(ラヴェリータ)が後ろから来ると思ったので、まくられないように、その時は自分から行こうと思っていたので、いいタイミングでスパートができたと思います。勝つ時はこんな感じですね」(四位騎手)。
3〜4コーナーからユキチャンが外めを上がっていくと、すかさずトーホウドルチェも進出し、直線に入ったところでは逃げていたケイアイガーベラを交わし切り先頭へ。
「最後は岩田君の馬がすごい脚で来たんですが、(トーホウドルチェは)一杯一杯で止まっていたので、ゴールした瞬間は交わされたと思いました」(四位騎手)。
岩田康誠騎手のラヴェリータは直線で前が壁になりながらも、進路が決まって内めから猛追してきた姿はさすが女王の走り。最後は首の上げ下げまで持ち込むも、トーホウドルチェがハナ差しのぎ切った(勝ちタイム1分39秒2・重馬場)。
「体が小さくて神経質なところがありますが、どっしり構えてくれるようになれば安定して力を出せるようになると思います」(四位騎手)。牝馬のダートグレード戦線に、新星が誕生した。
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四位洋文騎手
今日はハナを切ろうと思ったんですが、秋山君(ケイアイガーベラ)が行くと思ったので2番手から進めました。小回りの競馬場なので乗り方ひとつでした。久しぶりに船橋競馬場で重賞を勝たせてもらって、また来たいですね。
田島良保調教師
距離や馬体重減は気になりましたが頑張ってくれました。馬場を1周回るレースは初めてだったんですが、上手になだめて乗ってくれました。小回りや左回りは問題ないことがわかったので、予定は吟味して決めたいと思います。
ユキチャンの人気は変わらずに絶大だった。平日にもかかわらず、早い時間帯から若い客層が多く目につき、最後の直線でもユキチャンを応援する黄色い歓声が飛んでいた。今回は休み明けや忙しいマイル戦などプラスとは言えない条件も重なったが、昨年よりも約3秒も速いタイムで駆け抜けている。関係者もユキチャンの頑張りを称えていた。この後は5月19日(水)の大井記念(大井・2600メートル)に向かう予定だ。
取材・文:高橋華代子
写真:森澤志津雄(いちかんぽ)、NAR
写真:森澤志津雄(いちかんぽ)、NAR
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