第24回　2010年7月20日　チャームアスリープ

　「私たちの馬は皆かわいくて、これまでは競走馬というよりペットみたいな感覚でしたが、チャームはレースに勝つという競馬の醍醐味を教えてくれた馬ですね」とチャームアスリープの馬主山口美樹さんの奥様圭子さん。

　山口ご夫妻は南関東で大活躍しているセレンの馬主さんとしても有名ですが、それまで10年以上の馬主生活で、初めて重賞をプレゼントしてくれたのが南関東史上初の牝馬３冠に輝いたチャームアスリープでした。

　南関東牝馬の３冠体系は、桜花賞（浦和１６００ｍ）、東京プリンセス賞（大井１８００ｍ）、関東オークス（川崎２１００ｍ）とコースも距離も全く違います。それでなくても、牝馬は体調管理が非常に難しいと言われている中で、約１カ月半の過酷なローテーションを戦い抜きました。

　再び、牝馬３冠を達成する馬は現れるんでしょうか・・・。


　現在は生まれ故郷の村田牧場（新冠）で繁殖生活を送っています。すでに２頭のお母さん。昨年の初仔はキングヘイローとの牡馬で、今年はゴールドアリュールの牝馬（３月16日生まれ）が産まれました。

　ご夫妻は出産の翌日には早速会いに行ってきたそうで、「去年の仔はお父さんの方に出た感じですが、今年の仔はチャームに似ていると思いますよ。脚長だし、しっかりした体つきです」（圭子さん）。

　子育ても上手になっていたそうで、ヤンチャな愛娘が放牧地を力強く走っていると、柵と愛娘の間にチャーム自身がス〜ッと入っていくんだそう。「人間で言えば、お母さんが道路側を歩くような感じですよね。誰も教えていないのに・・・とても感動しました」（圭子さん）。


　早いもので、来年にはいよいよ初仔がデビュー。初仔は一口馬主のローレルクラブに入れることも検討しているそうです。「チャームを愛して下さった方にも、最初の仔は一緒に楽しんで頂こうと思っています」（圭子さん）。今年の２番仔は、母と同じ船橋の佐藤賢二厩舎に入厩予定。これまた楽しみ！

　現在はマヤノトップガンの仔を宿しているそうで、順調にママ生活を送っているようです。「私たちの馬の仔は孫と一緒なのですごくかわいいです。チャームはこれから毎年出産を行っていくと思いますが、出産は人間と一緒で本当に大変なことなので、とにかく無事でいて欲しいです」（圭子さん）。

　私も昨年おじゃましてきたんですが、お腹をゆさゆさ揺らして近寄ってくる姿やお乳を与えている光景にはジ〜ンときてしまいました。南関東が誇った名牝も、今ではすっかりお母さんになったんだなぁって・・・。