Web Fulongトップページレースハイライト特集クローズアップ連載サイトマップ
連載

第25回 2010年8月20日 ロジータ

 「ロジータふたたび。」を合言葉にした世代別牝馬重賞シリーズ、グランダム・ジャパン。「名前を使って頂けるのはうれしいことですよ」とロジータの生産者・高瀬牧場の高瀬良樹さんは言います。

 競走馬としても母としても大活躍した偉大なる名牝ロジータに続けるように、地方競馬の後輩たちが全国で熱戦を繰り広げています。

 現役時代は川崎所属として南関東4冠をはじめ数々のタイトルを手中に収めました。引退後は生まれ故郷の高瀬牧場で母となり、カネツフルーヴやイブキガバメント、オースミサンデーなど優秀な産駒たちを送り出し、愛娘シスターソノの仔で孫にあたるレギュラーメンバーも大活躍。03年にはNARグランプリの特別表彰馬にも選定されました。

 15頭の産駒を送り出した子宝母さん。現在3歳のオースミイレブン(父 クロフネ)が最後の産駒です。今年24歳になりましたが、功労馬として悠々自適な毎日を送っています。

 今から7、8年前にもロジータに会わせて頂きましたが、放牧地から颯爽(さっそう)と駆けてきて、私の前で急にポーズを取った姿が今でも忘れられません。「お客さんが来るといつも自分に会いに来たって思っているんですよ(笑)」と高瀬さんは言っていましたが、自分の役割をしっかりわきまえている姿に感動しました。

 その当時も繁殖牝馬たちのドンと伺ったのですが、今もドンであることは変わらないそうです。現役時代は気性のキツさが天下一品だったそうですが、そういう面は今も持ち合わせているそう。そんな精神面の強さがあるからこそ元気に過ごせるんでしょう。

 「カイバも良く食べるし、風邪ひとつ引かないですね。本当に丈夫です。よきライバルと思っていたオグリキャップが先に亡くなってしまって、ガックリしているかもしれませんが・・・」(高瀬さん)。

 89年のジャパンカップはホーリックスやオグリキャップらと世界レコードが飛び出すほどのハイレベルな中で戦ったんですよねぇ。

 「ほら、ピューちゃん、カメラを見て!」と高瀬さんが今もなお幼少時代の名前で呼んでいたのがとっても微笑ましかったです。どんなに年齢を重ねても、ピューちゃんはピューちゃんのままなんだなぁと。

 「この馬がいたから頑張ってくることができました。こういう馬を作ろうと思っても作れるものではありませんから・・・。(ロジータは)神様みたいな存在ですね」(高瀬さん)。

高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。

・南関魂
・TCKホームページ重賞競走
・楽天競馬
・競馬総合チャンネル地方コース
・ウェブハロン
・船橋競馬を愛する100人の会
Back Number

オススメの逸品 佐々木竹見の見解 気になるあの馬は… REWIND 90s