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連載

番外編 SJT総括

盛岡 第1戦



 盛岡の1600メートルは、スタートしてから3コーナーまでずっと直線ですから、枠の内外の不利もなくて乗りやすいコースです。外枠に入ったとしても慌てないで乗ることができます。コーナーもゆるやかなので、そういう意味では実力を発揮しやすいコースです。
 勝った杉村騎手は強い馬に当たりましたね。人気になっていましたからほかの馬にマークされましたが、力が違いました。トップジョッキーばかりが集まっていますから、抜けた実力の馬がいると、どうしてもその力の差がはっきりとでてしまいます。
 ワールドスーパージョッキーズシリーズには、昔は南関東(と兵庫)の騎手ばかりが出場していましたけど、こうやって全国のトップジョッキーを集めて予選をやって、どこの騎手も出られる可能性が持てるようになったことはとてもいいことです。



盛岡 第2戦



 戸崎騎手は中団よりうしろのほうから慌てずにレースを進めました。盛岡は直線が長いですから、じっくり構えてレースをしたのでしょう。先行した的場騎手が単独先頭で、そのまま逃げ切ったかという感じでしたが、戸崎騎手は4コーナーあたりで楽な手ごたえのまま空いている内から先団の直後まで迫り、そこから抜け出すのは一瞬でした。ただちょっとペースが速かった感じで、的場騎手の馬も、そのほかの馬も、戸崎騎手以外の馬はゴール前では少しばてていたようです。
 今の盛岡コースは、内の砂が深いのか、向正面あたりでも、どの馬も内を2〜3頭分空けて走っていました。直線ではほとんどの騎手が外に出しましたが、戸崎騎手は直線ではその空いた内をうまく伸びてきました。1番人気なので馬の力もあったと思いますが、戸崎騎手の好騎乗でした。もしかして直線だけはラチ沿いもそれほど馬場は重なくないのかもしれません。



門別 第3戦



 勝った服部騎手は、スタートであまり仕掛けずに好位の3番手あたりにつけました。4コーナーあたりでも手ごたえが楽で、持ったまま先頭に並びかけて抜け出しました。
 2着に入った山口騎手も、外枠から気合を入れて先行しましたが、勝った馬とは手ごたえが違いました。1200メートル戦だけに、やはり先行力のある馬が有利です。最後は勝ち馬には離されましたが、最後までよく粘っていたと思います。
 上位に入線した馬の中では、的場騎手だけは後方3番手あたりからの追走でした。直線では馬群をさばいて3着までよく追い込んできました。



門別 第4戦



 杉村騎手は中団よりうしろからの追走でした。スタート後は馬群の中にいましたが、向正面でうまく外に持ち出したのはよかったですね。こういう長い距離(1800メートル)では、内の狭いところでごちゃつくよりは、外を回ったほうがいいときもあります。直線では外からいい手ごたえで抜けてきました。馬が強かったように見えましたが、9番人気ですか。それだけうまく乗ったんだと思います。
 最終戦らしく、最後の直線は見ごたえのあるいい勝負になりました。このメンバーを集めた番組もよかったのではないでしょうか。さすがにトップジョッキーばかりのレースだけあって、直線の叩き合いでもよれたりする馬もなく、展開的に不利を受ける馬もまったくなく、いいレースだったのではないでしょうか。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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