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2010年4月7日(水) 大井競馬場 1200m

競走成績Movie

今年も粘った高知の刺客、しかし強さを見せたのはこの馬

 昨年に続き、今年もレースを盛り上げたのは、高知から遠征してきたポートジェネラルだった。好スタートから昨年同様に15頭を従えて逃げる展開。そして直線を向いても単独で先頭。残り200メートルを切っても、後続にまだ2〜3馬身の差をつけていた。「今年こそ、粘るか」と、見ているものの多くが思ったことだろう。しかし、馬場の中央から人気上位の3頭が一団となって迫り、外から抜き去っていった。ポートジェネラルは昨年と同様、大健闘の4着ともいえるが、残念な4着でもあった。「高知のコースなら粘ってるんだろうけど、大井の直線は、長いなあ」。雑賀正光調教師は残念な表情を見せた。
 前走、地元高知で行われた黒船賞JpnIIIでは3〜4コーナーで後退し、勝ったスーニからは2秒4も離された8着。それが今回、距離短縮が向いたとはいえ、長距離輸送に加え、中央の有力馬との斤量差が縮まるなど、不利な状況はいくつもあった。それでいて前回と同じような有力メンバーを相手に互角の勝負。これが競馬の奥深いところだろう。
 見せ場をつくったポートジェネラルを抜き去った3頭一団から、真っ先にゴールを駆け抜けたのは、やはりこの馬。単勝1.7倍の断然人気、スーニだった。道中は6、7番手あたりの馬群の中を追走。4コーナーでは行き場を失いかけたが、他馬を押しのけるようにみずから進路を切り開いて抜け出してきた。
 「なかなか外に出すことができなかったんですが、馬の力でちょっとずつ外に持って行きながら、自分の進路をとりました」と川田将雅騎手。昨年3歳時の前半は、道中で掛かるなど難しい面を見せて勝ちきれないレースが多かったが、こうした精神面、肉体面の強化が、ここ2戦の結果につながっているのだろう。1400メートル以下では、これで8戦6勝、2着1回。ダート短距離での安定感は抜群だ。
川田将雅騎手
前走からズブさを見せるようになって、前半は忙しい感じでしたが、3コーナー手前からは引っかかっている感じでした。去年JBC(スプリント)を勝ったあと、なかなかいい結果を出すことができなかったのですが、この1200〜1400メートルという距離であれば、強いスーニを見せられると思います。
吉田直弘調教師
前走黒船賞のときと比べて、状態は上がってはいなかったですけど、下がってもいなかったという感じでした。レースは勝ちましたが、最後は騎手に助けてもらったなという感じがしました。勝てたのはジョッキーの力だと思います。次は、馬がジョッキーを助けられるくらいに仕上げないといけないと思っています。

 明けて8歳になったフジノウェーブは、惜しくもクビ差で2着。まだまだ衰えはなく、大井1200メートルへの適性の高さを今回も示した。
 ミリオンディスクも食い下がり、半馬身差の3着。前走黒船賞JpnIIIでは直線でスーニに突き放されていたが、今回最後まで粘ったのは、得意の1200メートル戦ゆえだろう。
 今後のダート短距離戦線、特に1200メートルの距離では、今回接戦を演じた3頭が注目の存在となるだろう。
取材・文:斎藤修
写真:宮原政典(いちかんぽ)、NAR

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