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2010年7月7日(水) 川崎競馬場 1600m
直線抜群の手ごたえで突き放す、真実の強さで女王が連覇
中央からは、連覇を目指す砂の女王ラヴェリータを筆頭に、マリーンカップJpnIIIの覇者トーホウドルチェ、重賞戦線で好走しているウェディングフジコ、10歳になった今も戦い続ける女帝メイショウバトラー。笠松からは、タフネスガールのトウホクビジンと340キロ台のプチサイズ・プティフルリール。七夕の夜に、全国各地から個性豊かな面々が牝馬の祭典に集結した。早い時間帯のレースに雨が降り馬場コンディションは稍重となったが、メインレースは傘を差さずに観戦することができた。
勝ったのは、去年に続いて1番人気(1.3倍)に支持されたラヴェリータ。「マイルは忙しい感じはしましたが、普通のスタートを切って普通のレースができたことが勝因だと思います」と岩田康誠騎手。
南関東のキープザチェンジとタッチブライトが先手を取ると、ラヴェリータは中団付近から追走。向正面中ほどではトーホウドルチェが好位から抜け出すと、すかさずラヴェリータも進出。「去年以上に力をつけているので自信を持って乗りました。強気に乗ったのが良かったと思います」(岩田騎手)。
トーホウドルチェとラヴェリータが併せ馬状態で直線に入るも、抜群の手応えでラヴェリータはトーホウドルチェを交わして先頭へ。「4コーナーで後ろを見る余裕もあったし弾ける感じもあったので、直線では(後ろから)何もこないのがわかりました」(岩田騎手)。
優勝したラヴェリータは2着のトーホウドルチェに3馬身差をつけ、3着にはクビ差でウェディングフジコが入り、今年も中央勢が上位を独占した。
ラヴェリータは3歳時に関東オークスJpnIIとスパーキングレディーカップJpnIIIを連勝すると、秋にはジャパンカップダートGIに参戦(13着)するなど高いレベルに挑戦し続けた分、勝ち星から遠ざかった時期もあった。4歳になった今年は、名古屋大賞典JpnIIIで、のちの帝王賞JpnI・4着馬アドマイヤスバルを退け、前走のブリリアントステークスでも牡馬たちを一蹴。
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岩田康誠騎手
いろんなことをクリアして一戦ごとにすごく落ちついているなぁと感じます。牡馬みたいな馬なので、もっともっと上を目指していいパフォーマンスが見せられると思います。これからも怪我なく乗っていきたいです。
松元茂樹調教師
57キロの斤量は心配でしたが体も大きくなっているし力もあるので、何とかこなしてくれるのではないかと思っていました。無駄な力を使わないし競馬を覚えて上手になってきているのが、好成績につながってきましたね。
ここまでのハードな経験は、確実に今に生きていると言えるだろう。牝馬同士では一枚も二枚も抜けていて、砂の女王としての風格をこれまで以上に漂わせていたように思う。 「スパーキングレディーカップは2連覇をさせて頂きましたが、まだまだ大きいところを狙いたいです」(松元茂樹調教師)。砂の女王の矛先はどこに向かっていくのだろう。
イタリア語で『真実』という意味が込められているラヴェリータ。今後も『真実』の強さで、女王の貫録を見せ続けてくれるに違いない。
イタリア語で『真実』という意味が込められているラヴェリータ。今後も『真実』の強さで、女王の貫録を見せ続けてくれるに違いない。
取材・文:高橋華代子
写真:三戸森弘康(いちかんぽ)
写真:三戸森弘康(いちかんぽ)
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