京都競馬場改修にともなう開催日程変更により、今年は中京1900メートルが舞台となったシリウスステークスGⅢ。フルゲートを超える登録があり、その中からロードブレスが3日前の日本テレビ盃JpnⅡにまわって見事に勝利を収めた。
秋以降のダートGⅠ/JpnⅠ戦線を見据え、フルゲート16頭には3歳馬も3頭が出走。中でも注目となったのはカフェファラオ。デビューから圧倒的な強さで3連勝、断然人気で臨んだジャパンダートダービーJpnⅠはまさかの7着だったが、まったく能力を発揮していなかったのは明らか。ここは初めての古馬相手でも単勝1.7倍の断然人気に支持された。そのジャパンダートダービーJpnⅠで逃げて2着に粘ったダイメイコリーダも出走してきたため、古馬と3歳馬のレベルを測る意味でも興味深いメンバーとなった。
逃げ・先行馬が複数いるメンバーで、逃げたのは昨年の北海道2歳優駿JpnⅢを逃げ切っていた3歳馬キメラヴェリテ。やや離れて2番手にランスオブプラーナで、3番手以下はさらに離れてかなり縦長の展開。注目のカフェファラオは中団を追走した。
やはり前はハイペースで結果的に先行勢は総崩れ。3~4コーナーで馬群が凝縮し、直線馬群の内をさばいて先頭に立ったのは、中団から位置取りを上げてきていたサクラアリュール。ラチ沿いからエイコーンも伸びてきた。
残り100メートル、それらを外からとらえにかかったのがカフェファラオ。馬群が凝縮したところで外を回ってきたのは、それだけ自信もあったのだろう。2着サクラアリュールには3/4馬身差だったが、危なげのない完勝といえるレース内容だった。
2着から1馬身1/4差で3着は、一昨年の東京大賞典GⅠで5着に入った経験があるエイコーンだった。
好位を追走したダイメイコリーダは最下位だったが、4コーナーで、さあここからというときに、メイショウワザシに前をカットされ手綱を引く場面があった。メイショウワザシ鞍上の浜中俊騎手は9日間の騎乗停止となったから、ダイメイコリーダには相当な不利で、それで行く気をなくしてしまった。
勝ったカフェファラオは、ユニコーンステークスGⅢを歴代最少キャリアの3戦目で制していたが、ここでもJRA古馬ダート重賞勝利を最少のキャリア5戦目で制覇という記録となった(グレード制導入以降)。
「たくさん逃げる馬がいたので、中団から自分のペースでリラックスできました。ジーワン級のポテンシャルがあるので、パワーアップしたらジーワンも勝てると思います」と、今回初めて手綱をとったクリストフ・ルメール騎手。ジャパンダートダービーJpnⅠ以来3カ月ぶりの実戦でも、あらためてその能力の高さを示したカフェファラオ。仕切り直してのGⅠ/JpnⅠ挑戦で、いよいよ古馬最強クラスとの対戦となりそうだ。