今年からJBCに2歳戦が加わることになり、これまで北海道2歳優駿として行われてきたレースが第1回JBC2歳優駿として生まれ変わる。格付けはこれまで同様のJpnⅢだが、JBCとなれば、特に2歳戦が充実しているホッカイドウ競馬ではこれを目標にという機運が高まる。地元の前哨戦ともいえるサンライズカップはJBC指定競走となり、またサッポロクラシックカップに代わって『未来優駿』の一戦ともなった。
サンライズカップは近年の勝ち馬を見ても、北海道2歳優駿JpnⅢから全日本2歳優駿JpnⅠを制したハッピースプリント、東京ダービーやジャパンダートダービーJpnⅠなどを制したヒガシウィルウィンというNARグランプリ年度代表馬をはじめ、のちの活躍馬が多数。そうした注目度の高さから、ホッカイドウ競馬の格付でも昨年までのH2からH1に格上げされ、1着賞金も300万円から500万円に増額となった。
10頭立てではあるが、今年もホッカイドウ競馬のリーディングを独走する田中淳司厩舎から大挙6頭が出走。前述のとおり、かつてこのレースから飛躍したハッピースプリントに続けとばかり、先々への意欲と期待が伝わってくる。
単勝では3~5倍台で4頭が人気を分け合い、1番人気は角川秀樹厩舎で3連勝中のノートウォージーだが、ほか3頭は田中淳司厩舎。しかしその4頭はいずれも馬券に絡めなかった。
果敢に逃げたのは目下3連勝中のノートウォージーで、これを追いかけたのがシビックドライヴ。3番手以下は離れ縦長の展開となった。
3コーナーで前を捕らえにかかったシビックドライヴが単独先頭で直線へ。トランセンデンスやノットリグレットなど人気上位馬を含め6頭ほどが一団となって追ったが、その中から抜けてきたのはギガキング。徐々に差を詰めたが、シビックドライヴはこれを1馬身差で振り切って勝利。後方から3コーナー過ぎでまくってきたシャークスポットが直線外を伸びて2馬身差で3着。人気馬総崩れで波乱の決着となったが、それでも田中淳司厩舎のワンツーではあった。
ロジータ記念など北海道・南関東で重賞6勝を挙げたノットオーソリティの初仔として期待されたノットリグレットは6着。パドックではテンションが高く、「一瞬行きかけたと思ったらレースをやめたり気難しいところがある」と吉原寛人騎手。栄冠賞を制したサイダイゲンカイは見せ場をつくれず8着。「距離も微妙でしたが、出遅れてしまってそれを試すこともできませんでした」と服部茂史騎手。ノートウォージーは直線失速して9着だった。
勝ったシビックドライヴの落合玄太騎手は、「いい脚を長く使うタイプなので早めに先頭に立って、後続に脚を使わせて押し切るような形を取れればと思っていました」と思い描いた通りの展開に持ち込み、1800メートルという距離で持ち味を存分に発揮させての勝利となった。
デビュー3年目の落合騎手は今年、10歳のメイショウアイアンでも北海道スプリントカップJpnⅢを制しており、田中淳司厩舎の子弟コンビはJBCに向けて、スプリント、そして2歳優駿に有力馬の出走態勢が整った。
Comment
落合玄太 騎手
(速い流れの2番手から)手応えはずっと良くて、折り合いはつくタイプなので、最後まで頑張ってくれるんじゃないかと思っていました。一度先頭に立った時は減速してしまったんですけど、後ろから来たらもう一度ハミを取ってくれました。ポテンシャルの高い馬なのでJBCも期待しています。
田中淳司 調教師
前半ペースが速いなというのは見ていてわかったんですが、瞬発力勝負では分が悪く、落合もそれがわかっていてスタミナ勝負に持っていったと思います。馬のいいところを最大限に引き出したレースだったと思います。跳びがゆったりしていて、1周回る門別の馬場が合っていると思います。