ジャパンダートダービーJpnⅠを終えての3歳ダート重賞、レパードステークスGⅢには例年フルゲート(15頭)を超える多頭数の登録があるが、今年は特に多い28頭が登録。その中で賞金的に出走が確定しているのは6頭。残り9つの枠は2勝馬(賞金900万円)22頭の抽選となった。
今年で12回目のこのレース、不良馬場で行われるのは初めてのこと。それが少なからず影響したのだろう、第1回のトランセンドがマークしたコースレコードをコンマ3秒更新する1分49秒2で逃げ切ったのは、単勝22.3倍、7番人気のケンシンコウだった。
好ダッシュを見せたのはタイガーインディだったが、1番枠のケンシンコウが譲らず、1~2コーナーを回るところでは併走。2コーナーを回りきったところでケンシンコウがハナを取りきった。やや離れてラインベック、デュードヴァンという注目の2頭が続き、さらに人気の一角ミヤジコクオウは中団からの追走となった。
3~4コーナーではラインベックらが前との差を詰めたがケンシンコウの手応えは楽なまま。直線を向いて追い出されると、あっという間に後続との差を広げ、ゴール前では手綱を緩める余裕を見せて逃げ切った。
ケンシンコウの上り3Fが36秒6で、それ以上の上りで伸びた2頭、ミヤジコクオウ(上り36秒1)が2馬身半差の2着で、ブランクチェック(同36秒4)が3/4馬身差で3着に入った。
勝ったケンシンコウは、ユニコーンステークスGⅢで3着という実力ながら、抽選をくぐり抜けての出走で初タイトルを掴んだ。
レースのポイントは前2頭の先行争いにあった。1コーナーに入るところで競り合ったことで、後続勢はハイペースと見たのではないだろうか。それゆえ有力2頭がやや離れての3、4番手。それ以外の馬たちは、当然この有力2頭が目標になる。
ところが実際には、2コーナーを回るあたりですぐにペースが落ちた。レコード決着は夏の新潟ではめずらしい時計の出やすい不良馬場ゆえ。前半4F=48秒3で、12秒4を挟んで、後半4F=48秒5という、実はまったくのイーヴンペースだった。ケンシンコウの丸山元気騎手はそれを意識していたかどうか、3~4コーナーで後続を引き付けたところで十分に溜めをつくることができた。
「あまり逃げたくなかったんですけど、抑えきれないくらいの手応えで行ったので」(丸山騎手)というから馬自身の調子もよかったのだろう。加えて「直線でもまだ遊んでいたり、手前を替えなかったりいろいろあるので、気性面の成長があればもっと伸びると思うので楽しみです」と期待を語った。
ジャパンダートダービーJpnⅠでは2番人気に期待されながら5着だったミヤジコクオウだが、今回は鳳雛ステークスを勝ったときにも見せた直線切れる脚を発揮。ただ今回は、勝ち馬にセーフティリードを許してしまった上に、「エンジンのかかりが遅くてズブいですね」と和田竜二騎手。
1番人気に支持されたデュードヴァンは、直線を向いたところではミヤジコクオウと馬体を併せるように伸びてきたが、最後は伸び負けして4着。川田将雅騎手は「1800メートルは長かったと思います」とのことだった。
父ディープインパクト、母アパパネという三冠馬同士の配合で注目され、前走初ダートを快勝して臨んだラインベックは7着だった。
ユニコーンステークスGⅢを終えたところまではカフェファラオ断然と思われ推移してきたJRAの3歳ダート路線だが、一転混戦となった。