佐賀競馬では7月より直営場外3カ所のうち2カ所(佐賀市、中津市)で佐賀開催時のみ発売を再開したが、本場では無観客開催を続行中。2月の佐賀記念JpnⅢのときはまだ通常開催だったため、佐賀のダートグレードとしては初の無観客開催となった。
とはいえ、場内では券売機前の立ち位置の表示や、椅子の間引き利用など感染拡大防止の対応準備が進められていた。他主催者では徐々に客入れを再開しているところもあり、競馬場にお客さんが戻ってくる日もそう遠くはなさそうだ。
サマーチャンピオンJpnⅢは真夏のハンデ戦ということもあり、近年はJRAの重賞実績馬の出走が少ないケースが多いが、今年は、JBCレディスクラシックJpnⅠのヤマニンアンプリメ、東京盃JpnⅡのコパノキッキングと昨年格が高いグレードを勝った2頭が出走。両馬には重いハンデが課せられたが、やはり実績が抜けているだけに、コパノキッキング(58.5キロ)が単勝2.0倍、ヤマニンアンプリメ(56キロ)が同2.4倍と、僅差で1、2番人気を分け合う形に。発売締切直前に当時単勝4番人気だったヒラソールが放馬のため競走除外となるアクシデントが発生。しかし無観客開催だけに場内は静寂に包まれ、蝉時雨が鳴り響くなか発走を迎えた。
サヴィがすっとハナに立つとキャプテンハウテン(佐賀)とメイショウテンスイが追走。前の3頭とはやや間隔を取っていたヤマニンアンプリメとコパノキッキングの人気2頭も向正面で前との差を詰め5頭が先行馬群を形成し、その後ろは大きく離れる形に。
3コーナーで先行馬群からキャプテンハウテンが脱落。JRA4頭での争いは直線入口でヤマニンアンプリメが内から先頭をうかがうも、サヴィがしぶとく先頭をキープ。今度はメイショウテンスイが迫るも、サヴィが半馬身抑え込んでの勝利。コパノキッキングは勝ち馬とはコンマ3秒差だったが優勝争いには絡めずの3着。ヤマニンアンプリメは直線伸びず4着と、実績馬2頭には厳しい結果に。5着ナムラムート(兵庫)が地方最先着となったが、JRA勢とは差のある内容だった。
サヴィは3歳時のユニコーンステークスGⅢ(13着)以来2度目の重賞挑戦で、地方初出走での勝利となった。前走はオープンの天保山ステークスを勝っての出走。近年のサマーチャンピオンJpnⅢは重賞実績がなくても近走好走馬優勢の傾向があるが、今年もその流れが続いている。また、今回を含めた7勝すべてがダート1400メートルでのもので、今後は未定ながらも「サヴィにとってベストの距離で、地方レースも選択肢に入ってくると思います」(中内田充正調教師)とのこと。同距離のテレ玉杯オーバルスプリントJpnⅢ(浦和)や兵庫ゴールドトロフィーJpnⅢ(園田)も有力な目標となりそうだ。
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和田竜二 騎手
スタートだけ気を付けていこうと思っていて、1コーナーはゆっくり入れていたのでそのまま行きました。気難しい馬で、(馬群に)飲み込まれたらやる気をなくすので、向正面からスピードを上げて行きました。前走の勝ち方も良く、馬が充実してきたんだと思います。
中内田充正 調教師
短期放牧で牧場で立て直して再入厩してきたので、状態面はよかったです。他馬の動向次第ですがスタートのいい馬なので、いいポジションは取れると思っていました。まだそんなに競馬を使っていないので、これから経験を積んで強くなってくれればと思います。