新型コロナウイルス感染拡大防止のため浦和競馬場も無観客競馬が続いていたが、南関東の中では最も早く8月の開催から一般のお客様の入場を人数制限付きで再開した。テレ玉杯オーバルスプリントJpnⅢが実施された9月22日は4連休最終日で、282名が来場。ソーシャルディスタンスは守りながらも最近の中では最も活気ある雰囲気だった。
この開催の目玉でもあるテレ玉杯オーバルスプリントJpnⅢは、中央・他地区・南関東と10頭によって争われ、メンバー中最も重い58キロを背負ったサクセスエナジーが松山弘平騎手を背に貫禄勝ちした。
展開の鍵を握ったのは、このレース3連覇をかけて臨んだノブワイルドと、移籍初戦の2走前にブルドッグボスと接戦を演じて2着だったベストマッチョ。スタートして、ノブワイルドはかなり押っ付けながら、ベストマッチョは抜群の手応えでついていくも、結果的にはノブワイルドが単独先頭へ立ち、2番手にベストマッチョ、サクセスエナジーは外めの3番手。
3コーナー手前でノブワイルドが一度下がり、サクセスエナジーがベストマッチョをとらえて4コーナーでは単独先頭。ベストマッチョと、再び盛り返してきたノブワイルドを振り切った。勝ちタイムは1分26秒7(良)。2馬身差で2着にベストマッチョ。ノブワイルドはハナ差で3着だった。勝ちタイムは1分26秒7(良)。2馬身差で2着にベストマッチョ。ノブワイルドはハナ差で3着だった。
「もまれたくはなかったので思っていたような競馬ができました。(仕掛けは)少し早いかなと思いましたが、手応えもすごく良かったですし、これならいけると思って動きました。しっかり押し切ってくれて強い内容でしたね」(松山騎手)
サクセスエナジーは通算11勝目を挙げて4つ目のダートグレードタイトルを獲得。1頭になるとソラを使うところがあり仕掛けを遅らせる競馬をしてきたそうだが、春からは強気の競馬でも結果を出せるようになったのは、充実の証だろう。「一皮も二皮も剥けた感じです。今のレース形態でここまで勝つのはなかなかできないと思うので、本当にえらい馬です」と、北出成人調教師も愛馬の頑張りに目を細めていた。
なお、3連覇をかけて臨んだノブワイルドは3着に終わった。単騎で逃げるまで時間がかかり、3コーナー付近からは下がっていきながらも直線で盛り返し、ベストマッチョと2着争いを演じた。
「いつもとは行きっぷりが違いました。(勝負所でも)一回下がって、このままズルズル下がってしまうかなぁと思ったら、また伸びて盛り返してくれました。力はありますが、3連覇を狙っていたので残念です」と左海誠二騎手。
3連覇という偉業は達成できなかったが、来年には9歳になるノブワイルドのこの新たな一面にも驚かされた。
Comment
松山弘平 騎手
斤量58キロでしたがこれまでも重い斤量でも勝っている馬なので、しっかりこなしてくれると思っていました。スタートもしっかり出てくれて、少し気合をつけるところはありましたが、砂をかぶらずにいい形で進めることができました。今日は強い競馬で勝ってくれたので今後がすごく楽しみです。
北出成人 調教師
砂をかぶらない、もまれない枠を引けたのも良かったです。内めに行きたい馬たちがそろっていたのでやり合ってくれたらと思っていたのですが、道中も危なげないレース運びで今までで一番安心して見られました。東京盃は補欠だったので、この後はJBCスプリント一本になると思います。