かきつばた記念JpnIII
スマートファルコンは今回も楽勝でした。内枠だったので結果的に先頭に行きましたが、キングスゾーンあたりが内に入っていたら控えていたかもしれません。
ただおそらくそうなった場合でも3コーナーあたりで交わしにいくでしょうから、結果は変わらなかったでしょう。 テンに少し仕掛けていったので、1コーナーあたりでちょっと行きたがっていましたが、それでもまったく問題ありませんでした。
もう少し長い距離で、相手に競りかけられたりすれば負かされることもあるかもしれませんが、控える競馬もしたことがあるので、 そうしたときは2〜3番手あたりに控えてしまうかもしれません。帝王賞には出てきてほしいですね。ダートの一線級に入って揉まれる競馬も見てみたいところです。
トーセンブライトは、3〜4コーナーで一旦はスマートファルコンに迫りましたが、楽に突き放されてしましました。勝った馬はやっぱりちょっと力が違いましたね。
リミットレスビッドは10歳でもよく走っています。ここでも3着に入るわけですから、中央は層が厚いですね。
かしわ記念JpnI
エスポワールシチーの佐藤哲三騎手はとてもうまく乗りました。スタート後、1〜2コーナーあたりまでは中団よりうしろでしたが、徐々に位置取りを上げて向正面ではいい位置に取り付きました。3〜4コーナーで上がっていったときは、ほかの馬と完全に手ごたえが違っていました。
カネヒキリもいいレースをして、直線まで楽でしたが、最後は差を詰められませんでした。脚元の影響があったのかもしれません。
フェラーリピサは、直線で一旦は先頭に立ちましたが、こういう馬は案外追ってから伸びないところがあります。
フリオーソは2〜3番手の外につけるのが理想なんですが、今回もまずまずの位置につけられました。ただ外枠だったのは厳しかったですね。直線で切れる脚を使えるわけではないですから、3〜4コーナーでもっと行ってしまえばよかったかもしれません。直線でもう少し伸びるかと思いましたが、今回は案外伸びませんでした。
ゼンノパルテノンは好位の内につけて、いい位置からレースをしていますが、ここではちょっと力が足りませんでした。
アジュディミツオーは、調教師から前に行けと言われていたようですね。スタートで少し無理をしたこともありますが、まだ完全には馬が戻っていないのかもしれません。
どの馬にも不利がなく、全馬が実力を出せたレースだったと思います。
兵庫チャンピオンシップJpnII
ゴールデンチケットは、直線でスーニが来ていましたが、最後までよく粘りました。武豊騎手は道中で手綱を緩めて折り合いをつけられるところがほんとうにうまいです。スタートして、先頭に立ったときから馬が遊んでいるような感じでリラックスしていました。相手はスーニだけだと思っていたのでしょう。3コーナーでハミをかけてからは、4コーナーまでいい感じで勢いがつきました。ここからはもう抜かせない感じでした。
スーニは4コーナーで少し外に膨れて、外にもたれるような感じもありますが、今回はゴールデンチケットに勢いがありましたから、コーナーをすんなり回れても、差し切るのは難しかったのではないでしょうか。全日本2歳優駿を勝ったときも外枠で、道悪でも楽勝しましたが、この馬はちょっと固い感じがしますね。
今回は2頭の競馬で、3着には大差がつきました。この世代のダートでは、この2頭はこれからも楽しみなのではないでしょうか。
佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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