群馬県の施設として初心者から上級者まで気軽に乗馬を楽しむことができる群馬馬事公苑。赤城山の裾野に位置し、自然に囲まれた緑豊かな空間の中にあります。
新潟の雄ロバリーハートがこの地にやって来たのは、今から9年前。新潟所属馬として唯一グレードレース(98群馬記念)を制するなど、7つのタイトルホルダーになり一時代を築きました。
乗馬に転向してから約半年ほどで初心者を乗せるまでになったそうです。「乗馬の練習馬としても最高の馬ですよ。乗り手の指示に素直で、子供が走ったりバイクが通っても驚くことは少ないので、初心者でも安心して乗せられます。触ってもおとなしくて扱いやすいので、みんなにかわいがられていますよ」と群馬馬事公苑業務課長の林秀幸さん。現在は『ロバ』という愛称で親しまれています。競技会に出場して活躍することもしばしば。
屋外の他に室内馬場も完備しているので、一年を通して乗馬ができます。人気馬でも負担がかからないように予定を組むので、消耗度は少ないそうです。それでも、多いときには1日100人ほどのお客さんが来るので、ロバリーハートも忙しい日は1時間のレッスンを3、4回はこなすそう。蹄の不安で半年ほどお休みをしたときはあったそうですが、今は健康状態も良好だそうです。
現役時代は530キロから560キロほどの体で走っていましたが、今もその雄大な体はひときわ目立っていました。この体で、強豪たちを百戦錬磨になぎ倒していったのかぁ。
「今は16歳になりましたが、年齢はまだ感じないですからね。練習馬の鏡として、これからも維持してもらえれば・・・」(林さん)。
ここにはロバリーハートと同厩だった中央と新潟で活躍したイブキクラッシュもいます。98年の上山で行われた東北サラブレット大賞典はこの2頭がワンツーフィニッシュ(1着 ロバリーハート、2着 イブキクラッシュ)したことでも知られていますよね。また、南関東の重賞勝ち馬イシノファミリーや高崎のタイトルホルダー・ドラゴンフライヤーなども余生を過ごしていて、地方競馬ファンならば一度は訪れてみたい場所です。
群馬馬事公苑のホームページは
こちら。(
http://gunma-bajikouen.jp/)
PS 高崎の雄として中央へ果敢に挑戦し続けたタマルファイターもこの群馬馬事公苑で活躍していましたが、今年2月26日、障害練習中に骨折を発症し亡くなったそうです。
地方競馬史に名を刻んだ1頭でした。タマルファイターのご冥福をお祈り申し上げます。