「テレビで白毛馬が生まれるお産のシーンを放送していたんですよ。それまで(白毛馬は)全く興味はなかったんですが、その仔馬と目が合ったように見えたんです。テレビだから、みんなと目が合っているんでしょうけどね(苦笑)。次の日にはその馬を買いに行きました。あれから楽しいことばかりですねぇ」と柳田清オーナーは屈託のない笑みを浮かべます。
その白毛の仔馬は、『君は白い宝』という意味を込めてハクホウクンと名付けられ、大井競馬場からデビュー。白毛として国内初勝利を挙げるなど、絶大な人気を誇りました。
「屈腱炎を発症したので何とか治したくて、全国を回っていろんな場所で治療をしました。2年間も費やしたけど、治りませんでしたね。でも、どうしてもハクホウクンに執念があったので。それなら、仔を作って白毛を増やしていこうと」(柳田オーナー)
競走生活を引退した後は種牡馬入りをし、フラッシュリリーとの間に4頭の仔を残しました。1歳の白毛が最後の仔で、北海道競馬に入厩したことはニュースにもなりましたね。
今年2月下旬頃から、ハクホウクンは白毛の愛息ハクバノデンセツと愛娘ハクバノイデンシ、そして栗毛の愛息フラッシュマンとともに、千葉県成田市のインターアクションライディングクラブで乗馬生活をめています。今年15歳になりましたが、体も気持ちも若さにあふれていて元気いっぱい。写真は耳をしぼっていますが、いつもこんな風にしているということで、あえて載せてみました。
11月には馬場馬術競技の大会に出場して6位。気性の激しいイメージの馬が、3カ月ほどの訓練で、従順にしっかりと言うことを聞いて競技に出ていた姿には、柳田オーナーご一家も感動したそうです。
「15歳ということは人間で言えば60歳くらいですからねぇ。そこから本格的な乗馬デビューなのでかなり遅いスタートです(笑)。体が痛い時でも指示を出したら一生懸命真面目に走る馬ですね」と担当の山本斉宏さん。来年も馬場馬術競技に出場予定で、練習する毎日。放牧地で日向ぼっこをすることも日課で、砂浴びをすることが大好きだそう。あらら・・・山本さんのお手入れが大変そうですねぇ(苦笑)。
「競馬以外で楽しみを持つのもいいかなと思っていますよ。うちの白毛たちを集めて乗馬などで白毛ショーをやってみたいし、ファンとの交流も大切にしてあげたいです。ハクホウクンは息子と一緒、離れられないですね」(柳田オーナー)
ハクホウクン一族は、柳田オーナーご一家の最高の楽しみとして、今も元気に過ごしています。