名古屋競馬場
ぎふ屋 上ウナ丼(1200円) など
競馬エース 伊藤和敬
JBCへようこそ! 今回は名古屋競馬場をご案内しよう。
正門をくぐると、まずは右手へ、そして串カツを1本(100円)。「ありがとうございます。どうぞ味噌をつけてってください」との声に従って、ドテ煮の鍋へつけてタレをしっかりとしみ込ませる。それをいただくのが名古屋流。ちょっと甘めの味噌ダレとの相性がいいのは、「矢場トン」などの味噌カツでもおなじみだろう。
だが、目的の店はその先。「うなぎのぎふ屋」である。浜松を抜いて、愛知県の三河一色がウナギの生産量日本一になって久しい。もちろん「ぎふ屋」も三河一色産のウナギを使っている。名古屋のウナギのカバ焼は、関西流で腹びらき。並が900円、上が1200円。「上をひとつ」と注文すると、それから焼はじめてくれる。「時間かかるけど、ゴメンね」と、店のオバサン。出て来た上ウナ丼は3切れ乗って、ちょうど一匹ぶんというもので、なんともリーズナブル。早速、いただくと、いかにも国産らしい肉厚のウナギで、甘めのタレがからんで、美味しい。ゲンをかついで、山椒“サンショウ”(3勝? ちょっと控え目かな)もかけて、ガッとかき込むようにほうばって、一気にいただいてしまう。名古屋競馬場で食するなら、やはりウナ丼だろう。ちなみにこの「うなぎのぎふ屋」、オーナーは、あのジュサブローでジャパンカップへも挑戦した、鈴木純児元騎手のお母さんという縁がある。
さて、今回は番外篇も紹介させていただこう。アフター競馬というか、競馬場周辺の美味しいお店である。
吉野家、ラーメン屋、ファミレス等もあるが、競馬場の交叉点には、洋麺屋五右衛門がある。ここのスパゲッティは箸でいただくというもので、なかなか美味しい。ただ、今回は、もう少し御足労を願おう。東海通りへ向かって東へ歩くと、消防署をこえた信号を左へ曲がって、さらに200mほど……。名古屋は信州・長野と接しているせいか、おソバの美味しいお店が多い。特に、十割ソバが美味しいのであるが、そんななかでも屈指のお店といえるのが「一心」。競馬開催のない日には、競馬場の関係者もしばしば訪れるし、愛馬が出走する時には、必ずこの店から出陣というオーナーもいる。かつて「全国競馬便り」の取材で来名した、ジュンジュンこと柳沼淳子さんをお連れしたのもこの店である。折から、新ソバの季節であるが、「北海道産は使いません。やはり信州産の香りにはかないませんから」と、かたくなな店主。ここの十割ソバも、もちろん美味しいが、お勧めはお塩でいただく「頑固ソバ」。ソバの香りと甘みがなんともいえない。しっかり噛んで、味わって、ノドの奥へ、ゴクン。食欲の秋。是非、ご賞味あれ。 |
※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。