ブリーダーズゴールドカップJpnII
スマートファルコンはスタート後から勢いがありました。フリオーソがスタートで仕掛けてハナに立ちましたが、すぐに直後にとりついて、行きっぷりがよかったので、他の馬にとっては厳しいペースになりました。2着に負けた前走のマーキュリーカップよりはかなりよくなっていました。マーキュリーカップのようにスローペースになると持ち味が発揮できませんが、フリオーソが引っぱってくれたことで、むしろこの馬の力を発揮できたと思います。最後はアドマイヤスバルに1馬身まで迫られましたが、着差以上の完勝でした。あとは、もう少し折り合いがついて、遊びながら走れるようになればさらに強いレースができるでしょう。
アドマイヤスバルは、積極的なレースで2着でした。この馬は強い馬とレースをすることで、これからもっと強くなるでしょう。
アロンダイトは、長期休養後はなかなか勝てませんが、しまいはしっかり伸びています。だいぶよくなってきていると思います。
フリオーソにとっては、スマートファルコンに突かれる息の入らない展開で、厳しいレースになりました。直線後退して4着でしたが、仮にスマートファルコンがいなければ、今回のような展開であれば、この馬のペースに持ち込んで勝っていたでしょう。今回の結果は残念でしたが、怪我をすることもなくよく走っていると思います。
クラスターカップJpnIII
バンブーエールはダッシュがいいですね。外枠で枠入りが最後になったのもよかったですが、それにしても59キロを背負って難なく先頭に立ちました。短距離線では、ダッシュをきかせて前に行ける馬が圧倒的に有利です。他馬との斤量差を考えれば圧勝と言っていいレースぶりでした。59キロはこれまでに何度か経験していますから、斤量にも慣れてきているのではないでしょうか。
トーセンブライトは、直線でいい脚を使って伸びてきました。短い距離でこれだけの脚が使えるのであれば、これからまだまだチャンスはあるでしょう。
メイショウバトラーはスタートはあまりよくありませんでしたが、1枠からのスタートで、つつまれるとよくないので積極的に前に行きました。3着でしたが、すでに9歳ですから、この馬の力は出しているでしょう。
サマーチャンピオンJpnIII
ヴァンクルタテヤマはスタート後の直線では控えて、向正面で一気に仕掛けていきました。あそこで上がっていったときの脚いろが他馬とはまったく違いました。58キロのトップハンデで楽に5馬身差ですから、このメンバーでは格が違いました。
ランザローテはスタートしてから向正面までずっと掛かっていました。かなり行きたがっていて、キングスゾーンに並びかけて行くような感じになりました。キングスゾーンのうしろにつけて折り合えれば、もう少し結果は違ったかもしれません。向正面の中間あたりでようやく折り合いがつきましたが、そのときにはすでにヴァンクルタテヤマの勢いが違いました。
リミットレスビッドもヴァンクルタテヤマと同じ58キロ。離された3着ですが、10歳でも丈夫でよく走っています。
佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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