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第16回 2009年11月20日 パルブライト

 
 「デビュー前はあんなに走るとは思わなかったんですよ。重賞を勝ってから、これはひょっとすると面白い馬になるんじゃないかなって思うようになりました」とパルブライトを大井時代に手掛けた元調教師の荒居貴美夫さん。

 大井でデビューしたパルブライトは、南関東のG1レース94年東京3歳優駿牝馬が初勝利という異色の経歴の持ち主(現在はS1レース東京2歳優駿牝馬)。その後は勝ち星から遠ざかった時期もありましたが、96年大井記念で東京ダービー馬カネショウゴールドなどの牡馬たちを一蹴し、中央入り。「牝馬でもカイバをたくさん食べてくれたので調教を攻めることができて、どんどん強くなってくれました。丈夫で芯がしっかりした馬でしたね。(中央入りは)寂しいというよりも、出世してもらいたいという思いの方が強かったです」(荒居さん)

 97年新潟記念と98年函館記念を優勝し、中央でも大活躍したことは皆さんの記憶にも残っているでしょう。

 繁殖生活に入ってから約10年、9頭の産駒を送り出している子宝母さんです。ゆったりしたお腹のふくらみも、引退してからの年月を感じさせます。

 今年から縁あって、新ひだか町の西川富岡牧場の一員になりました。取材をしている間、パルブライトはほとんど顔を上げてくれません。というのも、写真のように、ひたすら下を向いて青草を食べ続けていたんです。一般的にお馬さんは青草が大好きですから、放牧地に行けばそれを食べている姿はよく見かけます。が、こんなにも食べ続けているのは初めて(笑)。食への意欲は、今も変わっていないようです。

 でも、それが元気の源。現在は17歳になりましたが、体つきやハリは年齢をまったく感じさせません。本当に若い!歯も丈夫で、普通のカイバもこぼさずにしっかり食べているそうです。

 青草を懸命に食べながらも、ふふ〜んとハナを鳴らす仕草を見せました。なんだろう…。「子煩悩なんですよ。子供が視界から見えなくなると、鳴いて合図をするんです。とってもかわいがるんですよ」と富岡京子場長。

 今年は1月31日にゴールドアリュールの牝馬が生まれました(オータムセールで購買)。私がおじゃましたきはまだ離乳前だったので一緒に放されていましたが、愛娘がお乳を飲もために顔を近づけると、食べるのを止めて、凛とたたずみました。愛娘がお乳を飲みやすいように…

 パルブライト、素敵なお母さんです!

 PS 現在はクロフネの仔を宿しているそうですよ。来年が楽しみです!

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に活動中。

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