ユーモアたっぷりの名前と栗毛のプクッとした愛らしい姿で、多くのファンを魅了し続けたウエノマルクン。デビューして79戦目(重賞挑戦41回目)で、初めて重賞制覇を成し遂げた07東京記念は、夢や希望、感動を与えてくれました。現役生活7年間をタフに走り続けた無事是名馬の象徴ウエノマルクンは、記録にも記憶にも残る南関東を代表する名馬の1頭だったと私は思います。
関東甲信越も梅雨明けし、本格的な夏到来。夏男としても知られていたウエノマルクンは今どうしているんだろう・・・ふと会いたくなりました。
昨年5月の大井記念を最後に現役から退き、現在は埼玉県入間郡の日本乗馬倶楽部で第二の馬生を送っています。最初は牝馬に反応してかなり馬っ気が強かったそうですが、今は落ち着いたそうです。が、「それでも気が強くて元気な方ですね(苦笑)。食欲は旺盛で、前がきをしながら催促して一番うるさくなるので、早く飼い葉をあげるようにしています。ニンジンが一番の好物ですね」と担当の関口裕子さん。
実は、現在は『サムライ』という乗馬名がつけられていて、乗馬倶楽部の皆さんにはその名で浸透しているそうです。野武士のような雰囲気であることから、そう名付けられたとか。
怪我もしないで夏バテもせずに、相変わらず心身共に健康体。「乗馬でも丈夫なのは大事なことですよ。能力が高くても、競技の時に故障がちの馬は使えませんからね」と支配人の藤屋雅久さん。緑あふれた環境に、栗毛の体はよく映えていました。
上に高く跳ぶ脚さばきから、乗馬に適しているそうです。障害飛越でも馬場馬術でも両方こなせるタイプと期待がかけられていますが、しばらくは障害飛越をメインにトレーニングを積んでいくそうです。平日はスタッフの方から障害飛越の訓練を受けていて、週末になると上級クラスのお客様を乗せてバーを跳ぶまでに上達しているそうですよ。
「女性のお客様も多いので小ぶりの方が扱いやすいんです。お客様たちが安心して乗れる馬になればいいですね、そういう馬は貴重ですから」(藤屋さん)。
この秋に日本乗馬倶楽部で行われる埼玉県民馬術大会に出場するプランもあり、ウエノマルクン改めサムライ号として、表舞台に登場するのももう少し・・・。今度は乗馬界の無事是名馬の象徴として活躍してくれることを期待しています。
マルクン、これからも皆さんにかわいがってもらうんだよぉ!
PS 日本乗馬倶楽部
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