当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第58回東京大賞典(GⅠ) 参考レース&注目馬解説

2012年12月26日
第58回東京大賞典(GⅠ)
2012年12月29日(土)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

かしわ記念JpnⅠ(12年5月2日|船橋)
 1着:エスポワールシチー
 2着:フリオーソ
 8着:ボンネビルレコード
 ハナを切ったのはフリオーソで、エスポワールシチーは直後でぴたりとマークするように追走。3コーナーでエスポワールシチーがフリオーソに並びかけると一騎打ちになるかに思われたが、手ごたえに余裕があったエスポワールシチーがじわじわとフリオーソを離しにかかり、2馬身半差をつけて完勝。エスポワールシチーは2009、10年に続いてかしわ記念3勝目となった。中団を追走したボンネビルレコードは見せ場なく離されての8着だった。

ジャパンダートダービーJpnⅠ(12年7月11日|大井)
 1着:ハタノヴァンクール
 逃げ馬不在でスローペースとなり、先行集団を形成した中央勢からはやや離れた位置を進んでいたアートサハラが3コーナー手前から一気に動いて前に迫った。しかし先頭を譲らなかったのがトリップで、直線を向くと単独で先頭に立ち、そのまま粘り込みを図った。しかしロングスパートでこれを追ってきたのが1番人気のハタノヴァンクールで、残り100メートルから得意の末脚を発揮して差し切った。

 1着:エスポワールシチー
 中止:ナムラタイタン
 ナムラタイタンがスタートで躓くような形で騎手が落馬。単勝1.1倍と断然人気のエスポワールシチーは無理せず控え、メイショウタメトモを先に行かせて、クビから半馬身ほどの差で追走した。3~4コーナーでエスポワールシチーが先頭に立ち、直線を向いて追い出されると、あっという間に後続を突き放し、2着のダイショウジェットに4馬身差をつけての完勝。南部杯JpnIは、09年に続いて2勝目となった。

JBCクラシックJpnⅠ(12年11月5日|川崎)
 1着:ワンダーアキュート
 3着:トランセンド
 ハナを切ったマグニフィカが向正面で後退すると、代わって1番人気のトランセンドが先頭に立ち、早めに仕掛けたソリタリーキング、シビルウォーが並びかけてきた。ここで仕掛けを待ったのが、トランセンドの直後を追走していたワンダーアキュートで、4コーナーで外に持ち出し、直線で前3頭を交わしにかかると一気に突き放し、2着のシビルウォーに5馬身差をつける圧勝となった。直線で勢いが鈍ったトランセンドは、さらに3馬身離れての3着だった。

道営記念(12年11月15日|門別)
 1着:モエレビクトリー
 モエレビクトリーが外枠から行く気を見せ、1コーナーを回るところでハナを取りきった。1番人気リアライズノユメが追走したが、そのうしろは縦長の展開。直線を向くとモエレビクトリーが一旦突き放しにかかり、ゴール前では同厩のエイシンナナツボシ、ショウリダバンザイが迫ってきたが、これらを振り切って重賞初制覇となった。

ジャパンカップダート(12年12月2日|JRA阪神)
 2着:ワンダーアキュート
 4着:ローマンレジェンド
 7着:ナムラタイタン
 8着:ハタノヴァンクール
 10着:エスポワールシチー
 16着:トランセンド
 ナムラタイタンがスタートで躓いて出遅れた。エスポワールシチーが1000メートル通過59秒8というやや速いペースでレースを引っ張る展開。3番手を追走していたトランセンドが3コーナーで早くも手ごたえ一杯で後退し、直線に入るとエスポワールシチーも一杯になった。代わって先頭に立ったのが、2番手を追走していたホッコータルマエだったが、追い出しを我慢していたニホンピロアワーズが直線半ばで先頭に立つと、一気に突き放して完勝。これを追ってきたのがワンダーアキュートで、3馬身半差の2着。1番人気ローマンレジェンドは懸命に押して先団の直後まで取りついたものの直線伸びず4着まで。



<注目馬解説>

ナムラタイタン(JRA)
 デビューからダート6連勝でオープンまで制して期待を集めたが、重賞タイトルにはなかなか手が届かず、昨年の武蔵野ステークスGIIIが重賞初制覇となった。常に上位争いには絡むものの勝ちきれないレースも少なくなく、今年は7戦してオープン特別の1勝のみ。マイルチャンピオンシップ南部杯JpnIではスタートで落馬、ジャパンカップダートGIでも躓いて出遅れと、最近はスタートに難がある。

ワンダーアキュート(JRA)
 昨年は東海ステークスGIIをコースレコードで勝ち、東京大賞典GIでは連戦連勝のスマートファルコンを直線でじわじわと追い詰め、並んだところがゴールとなったが、惜しくもハナ差及ばなかった。今年はフェブラリーステークスGIでも3着と好走。ダイオライト記念JpnII、東海ステークスGIIでは1番人気を裏切ったものの、休み明けのマイナス21キロで臨んだJBCクラシックJpnIを5馬身差で圧勝し、JpnI初制覇を果たした。プラス21キロの前走ジャパンカップダートGIは直線伸びを見せたが、さらに前にはニホンピロアワーズがいた。今回は再び長距離輸送で、馬体重の変動もカギとなりそう。

ハタノヴァンクール(JRA)
 芝での2戦は惨敗だが、ダートで快進撃。ジャパンダートダービーJpnIを1番人気にこたえて勝利し、ダート5戦5勝とした。スタート後はなかなか行き脚がつかないものの、確実に伸びてくるゴール前の末脚が持ち味。秋になっての成長が期待されたものの、初めての古馬との対戦となったみやこステークスGIIIでは見せ場なく10着に敗れ、ジャパンカップダートGIでも直線伸びず8着。期待に反してこの秋は伸び悩んでいる。

モエレビクトリー(北海道)
 道営デビューから中央入りし、3歳時に京成杯GIII・3着、昨年5歳時には中山金杯GIIIで4着と、芝の重賞で好走した。勝ち星は準オープンまでで、今年夏に北海道に再転入。初戦4着のあと2連勝し、まず目標としていた道営記念を逃げ切って見せた。ダートグレードは2歳時に北海道2歳優駿JpnIIIに出走(8着)しているが、今回はそれ以来のダートグレード挑戦となる。

フリオーソ(船橋)
 2歳時から昨年7歳時まで毎年ダートグレードで勝利を重ね、GI・JpnIは6勝。NARグランプリでも2歳時から毎年世代別の最優秀馬となり、年度代表馬も4回獲得。まぎれもなく地方競馬の歴史に残る名馬。しかし今年は川崎記念JpnI・3着、ダイオライト記念JpnII・5着、かしわ記念JpnI・2着とまだ勝ち星がない。帝王賞JpnIでは2勝を挙げているが、東京大賞典GI(JpnI)は4回挑戦して2度の2着と手が届いていない。これが引退レースとなるが、もし勝つようなことがあれば、5度目の年度代表馬に選ばれる可能性もある。

エスポワールシチー(JRA)
 09~10年にかけてダートGI・JpnIを5連勝の快進撃でダートの頂点に君臨し、アメリカのブリーダーズカップクラシックにも挑戦した(10着)。しかしその後、GI・JpnIでは好走するも勝ちきれないレースが続いていたが、今年のかしわ記念JpnIで2年ぶりのJpnI勝ちを収めると、帝王賞JpnI・2着、そして南部杯JpnIも圧勝と、完全復活をアピール。前走ジャパンカップダートGI・10着はハイペースで飛ばしてのもの。帝王賞JpnIでは2度の2着があるが、東京大賞典GIには初挑戦となる。

ローマンレジェンド(JRA)
 ダートで未勝利から一気に勝ち上がり、オープンに出世した初戦のジュライステークスをコースレコードで勝利。重賞初挑戦となったエルムステークスGIIIでは、3キロの斤量差があったとはいえエスポワールシチーをクビ差でしりぞけた。続くみやこステークスGIIIでは、のちにジャパンカップダートGIを制すニホンピロアワーズをもクビ差でしりぞけた。前走ジャパンカップダートGIは1番人気と期待されながらも伸びを欠いて4着。今回は岩田康誠騎手に戻り、GI初制覇の期待がかかる。

トランセンド(JRA)
 昨年はGI・JpnIばかり5戦してオール連対。その中にはドバイワールドカップGIでヴィクトワールピサに半馬身差の2着があり、国内で負けたのはJBCクラシックJpnIでスマートファルコンの2着のみと、ほぼ完ぺきな成績を残した。しかし今年はドバイ遠征も含めて精彩を欠くレースが続き、JBCクラシックJpnIで3着があるものの、勝ったワンダーアキュートからは8馬身ほども離されていた。前走ジャパンカップダートGIでは3コーナーで早々と後退。巻き返しなるかどうか。

ボンネビルレコード(大井)
 大井でデビューし、黒潮盃、金盃など重賞4勝を挙げ5歳春に中央に移籍。帝王賞JpnI、かしわ記念JpnI、日本テレビ盃JpnIIと、ダートグレード3勝はいずれも中央所属時のものだが、的場文男騎手との相性が抜群で、その3勝はいずれも的場騎手とのコンビだった。その後、大井に戻ってから勝ち星はないものの、帝王賞JpnIには06年から昨年まで6年連続して出走し、いずれも掲示板を確保と好走。しかし同じコースでありながら東京大賞典GI(JpnI)には5度挑戦していずれも掲示板外だった。今回がラストランとなり、その後は大井競馬場の誘導馬となる予定。



文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月26日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。