当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第25回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2012年10月05日
第25回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)
2012年10月8日(祝・月)盛岡競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

武蔵野ステークス(11年11月13日|JRA東京)
 1着:ナムラタイタン
 3着:アドマイヤロイヤル
 4着:ダイショウジェット
 5番手あたりの好位をダイショウジェット、ナムラタイタンが進み、アドマイヤロイヤルは中団の内を追走した。直線を向いて先頭に立っていたタイセイレジェンドが後退すると、道中3番手のダノンカモンが抜け出し、これにナムラタイタン、ダイショウジェットが並びかけ、外に持ちだしたアドマイヤロイヤルも迫ってゴール前は4頭での競り合いに。ここから抜けだしたのがナムラタイタンで、半馬身差でダノンカモン、外で食い下がったアドマイヤロイヤルがクビ差3着で、ダイショウジェットは粘りを欠いて4着だった。

ゴールドカップ(11年12月23日|浦和)
 1着:ナイキマドリード
 4頭での先行争いは、1~2コーナーを回るところで雁行状態となり、人気のナイキマドリードはその3番手につけた。向正面半ばでディアーウィッシュが先頭に立ったが、ナイキマドリードが手ごたえ十分に3コーナーでこれを交わしにかかると、直線は独走。混戦の2着争いに8馬身差をつける圧勝となった。

兵庫ゴールドトロフィーJpnⅢ(11年12月28日|園田)
 1着:スーニ
 ラブミーチャンがハナに立ち、オオエライジンが3番手、セイクリムズンが4番手を追走する流れで、59.5キロを背負ったスーニは行き脚がつかず後方から。向正面ではオオエライジンが先頭のラブミーチャンに並びかけ、スーニもまくり気味に仕掛けていった。直線を向いてオオエライジンが先頭に立っていたが、これを外から交わし去ったのがスーニで、2着のセイクリムズンに2馬身差をつけての快勝。ダートグレード4連勝となった。

かしわ記念JpnⅠ(12年5月2日|船橋)
 1着:エスポワールシチー
 12着:トウホクビジン
 好スタートのフリオーソが先頭に立ち、エスポワールシチーはピタリと直後の2番手を追走した。3~4コーナーでエスポワールシチーがフリオーソに並びかけると、3番手以下は離れた。4コーナーで前に出たエスポーワールシチーが徐々に差を広げると、フリオーソに2馬身半差をつけて完勝。エスポワールシチーは、09年、10年に続き、このレース3勝目となった。

青藍賞(12年9月17日|水沢)
 1着:カミノヌヴォー
 3着:トーホクキング
 5着:エニフェアー
 カミノヌヴォーがハナに立ち、ロッソコルサがピタリと2番手を追走。中団を追走したトーホクキング、ヒカルジョディーが3~4コーナーで前の2頭に迫ると、この4頭の争いとなった。直線では、ロッソコルサがカミノヌヴォーに完全に並びかける場面もあったが、カミノヌヴォーが差し返してアタマ差で勝利。1番人気に支持されたトーホクキングは直線で離され、1馬身半差の3着だった。



<注目馬解説>

アドマイヤロイヤル(JRA)
 昨年の4月以降、ダートのマイル前後を中心に使われ、重賞実績は武蔵野ステークスでナムラタイタンの3着に、前走プロキオンステークスがレコード決着の3/4馬身差2着。ナムラタイタンとは3度の直接対決があり一度も先着はしていないものの、いずれも馬券圏内での僅差と実力差はほとんどない。前走プロキオンステークスの2着が単勝万馬券のトシキャンディが逃げ切りという荒れたレースだっただけに、それをどう評価するか。

メイショウタメトモ(JRA)
 川崎記念でフリオーソの2着を含め、ダートグレードはここまで9戦して2着4回、3着2回。特に地方のダートグレードでは馬券圏内を外したことがなく、しかしなかなか勝ち切れないタイプ。2010年11月の準オープン特別が最後の勝利で、オープン以上での勝ち星はない。中距離以上を中心に使われていて、マイル以下は準オープンの1400メートル戦での9着と、フェブラリーステークス13着という経験があるのみ。それ以来のマイル戦がどうか。

トーホクキング(岩手)
 今年のみちのく大賞典ではカミノヌヴォーとの叩き合いをハナ差で制し、重賞初勝利を飾った。続くマーキュリーカップは地方最先着の5着で掲示板を確保したが、今回の相手はJRAのオープン経験馬が6頭。マーキュリーカップ以上に苦戦を強いられるのは必至で、カミノヌヴォーとともに、JRA勢にどこまで食い込めるか。

ダイショウジェット(JRA)
 昨年の浦和・オーバルスプリントがデビューから52戦目での重賞初制覇。9歳となった今年はまだ勝ち星こそないものの、黒船賞がセイクリムズンにタイム差なしの3着、かきつばた記念もセイクリムズンの2着、前走日本テレビ盃でもソリタリーキングからコンマ6秒差の4着など、地方で行われるダートグレードで好走。GI・JpnI馬がエスポワールシチー、スーニの2頭しかいないメンバーなら馬券圏内は十分狙える。

スーニ(JRA)
 JBCスプリント3勝目を目指し、今年は前哨戦として東京盃ではなく、この南部杯に出走してきた。JBCスプリント2勝や全日本2歳優駿を含めダートグレード9勝を挙げているが、好不調の波が大きい。昨年の佐賀・サマーチャンピオンが1年4カ月ぶりの勝利で、そこからJBCスプリント(大井)を含め4連勝。しかし今年は5戦してサマーチャンピオンの3着が最高という成績。本番を前に、ここで復活のきっかけがつかめるかどうか。

ナムラタイタン(JRA)
 ここまでJRAでダートの1400~1600メートルを中心に出走し、昨年10月の武蔵のステークスが重賞初制覇。今年はマーチステークスこそ5着だったものの、その後はダートのオープン特別を3戦して1勝のほか、2着3着と僅差の決着。盛岡と同じ左回りで坂のある東京ダート1600メートルで重賞勝ちがあるのはプラス材料。6歳ながら、コンスタントに出走できるようになったのは4歳からで、ここまで21戦とそれほどレースを使われておらず、まだまだ上積みの可能性はある。

カミノヌヴォー(岩手)
 昨年3歳前半は大井に移籍していたが、秋に岩手に戻ってから本格化。不来方賞、ダービーグランプリと岩手二冠を制し、その勢いのまま年末の桐花賞で古馬をも一蹴。昨年度の岩手年度代表馬に選出された。しかし今シーズンは重賞ばかりか特別でもなかなか勝ちきれず、前走、南部杯トライアルの青藍賞でようやく初勝利を挙げた。マーキュリーカップ11着は、勝ち馬から5秒以上離されていただけに、JRA勢相手ではやはり厳しい。

エスポワールシチー(JRA)
 7歳を迎えた今年もダートでの強さは健在。フリオーソを競り落としたかしわ記念で、GI・JpnIは6勝目。今年の勝ち星はその1勝のみだが、帝王賞では勝ったゴルトブリッツに差をつけられたとはいえ、テスタマッタ、シビルウォーとの2着争いを制した。前走エルムステークスは、ダートでの上がり馬ローマンレジェンドとの一騎打ちでクビ差2着だったが、3キロ重い59キロを背負ってのものだけに、力負けではない。盛岡競馬場での南部杯は、09年に勝利、10年は2着と、実績、経験ともにナンバー1。

ナイキマドリード(船橋)
 船橋1000メートルで行われた2010年のJBCスプリントでサマーウインドの2着と好走したが、とにかく浦和1400~1500メートルでの実績が抜群。重賞通算4勝で、昨年のさきたま杯などそのうち3勝が浦和コース。前走のさきたま杯も、勝ったセイクリムズンからは離されたとはいえ、2着を確保した。重賞を使われるようになってからマイルを使われたのは、今年のフェブラリーステークスの16着のみで、今回は距離とコース経験が課題となりそう。

トウホクビジン(笠松)
 全国の競馬場を駆け巡り、6歳ながら3走前の姫路チャレンジカップが通算100戦目。それを勝利で飾った。ダートグレードでは2010年の船橋・クイーン賞が唯一の馬券圏内で、JRAのオープン実績馬が6頭揃ったここでは、掲示板に食い込めるかどうか。ちなみに現存する平地の地方競馬全場踏破は、あと高知競馬場を残すのみとなっている。



文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(10月5日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。