当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第12回JBCスプリント(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2012年11月02日
第12回JBCスプリント(JpnⅠ)
2012年11月5日(月)川崎競馬場 1,400m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

東京盃JpnⅡ(12年10月3日|大井)
 1着:ラブミーチャン
 2着:タイセイレジェンド
 3着:セイクリムズン
 5着:セレスハント
 7着:オオエライジン
 逃げると思われた1番枠のテイクアベットが出遅れ。ジーエスライカーがダッシュよくハナを奪い、ラブミーチャンは差のない3番手につけた。タイセイレジェンドはラブミーチャンをマークする位置から、1番人気セイクリムズンは、5、6番手の馬群の中を進んだ。直線でもラブミーチャンの手応えがよく、残り200メートルあたりで追い出されると後続を突き放しにかかった。タイセイレジェンド、セイクリムズンが追ってきたが、その差は詰まらず、ラブミーチャンが押し切った。

マイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠ(12年10月8日|盛岡)
 2着:ダイショウジェット
 5着:スーニ
 6着:ナイキマドリード
 ハナを切ったのはメイショウタメトモだが、3コーナーからこれをとらえにかかったエスポワールシチーが直線で突き放して文句なしの圧勝。直線では4頭ほどの2着争いとなり、坂のあたりで次々と脱落する中、ダイショウジェットが最後まで残ってエスポワールシチーからは4馬身差。中団を追走したスーニは向正面で他馬に寄られるなどリズムを崩して離れた5着。3~4コーナーではエスポワールシチーの直後で懸命に追いかけたナイキマドリードだが、直線失速して6着。

さきたま杯JpnⅡ(12年5月30日|浦和)
 1着:セイクリムズン
 2着:ナイキマドリード
 5着:スーニ
 逃げると思われたトウショウカズンがダッシュがつかず、セイクリムズンが仕掛けることなく1~2コーナーで先頭に立った。セイクリムズンは手ごたえ十分のまま直線を向くと、あっという間に突き放して圧勝。4番手の内を追走していたナイキマドリードが2着争いを制したが、セイクリムズンからは8馬身差。中団を追走したスーニは見せ場をつくれないまま5着。



<注目馬解説>

スーニ(JRA)
09年、11年に続いてJBC3勝目を狙う。一旦落ち込むと立ち直るのに時間がかかるタイプで、10年4月の東京スプリントJpnⅢを勝ったあとは1年4カ月も勝利から遠ざかった。しかし昨年のサマーチャンピオンJpnⅢからは、JBCスプリント2度めの制覇を含め4連勝。ところが再び今年は6戦して3着が最高という成績。今回はJBCスプリントが1400mゆえか、前哨戦としては東京盃JpnⅡではなく、1600mのマイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠに出走して5着。本来の力を取り戻せるかどうか。

セイクリムズン(JRA)
昨年のJBCスプリントはスーニに1馬身1/4及ばずの2着。そのスーニが不振に陥った今年、黒船賞JpnⅢからさきたま杯JpnⅡまでダートグレード4連勝で、ダートスプリント路線の覇権を握った。春のうちから今年の目標をJBCスプリントに定め、夏は休養。復帰戦となった東京盃JpnⅡには断然人気で臨んだものの、ラブミーチャンの3着。叩き2戦目での上積みは必至で、最有力候補であることには変わりない。

セレスハント(JRA)
今年7歳でキャリア47戦。ダートグレードは今年6月の北海道スプリントカップJpnⅢまで3勝。年齢的にも上積みを望むのは難しく、昨年の東京スプリントJpnⅢや、今年の北海道スプリントカップのように、ラチ沿いぴったりの最短コースを回って抜け出す競馬でチャンスを見いだせるか。

ダイショウジェット(JRA)
今年9歳でキャリア62戦。昨年のオーバルスプリントが重賞初勝利で、それ以降は勝ち星なし。とはいえ今年は、黒船賞JpnⅢでセイクリムズンにタイム差なしの3着や、かきつばた記念JpnⅢ、マイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠでは2着と好走。ハイペースで前崩れになったときのゴール前強襲や、有力馬の何頭かが凡走したときなどは確実に上位に食い込んでくる。

タイセイレジェンド(JRA)
ダートの短距離に路線を定めた昨年秋から重賞やオープン特別でもたびたび好走を見せ、今年のクラスターカップJpnⅢで重賞初制覇。しかもその前走で負かされていたセレスハントを6馬身ちぎっての圧勝だった。続く前走東京盃JpnⅡでも不利と言われる大外枠ながら、ラブミーチャンに1馬身半差まで迫って2着。セイクリムズンをクビ差でしりぞけた。5歳の今が充実期。コースをよく知る内田博幸騎手でJpnⅠタイトルを狙う。

ラブミーチャン(笠松)
前走東京盃JpnⅡは、好位追走から直線半ばで抜け出し、人気を集めた中央勢を振り切った。2歳時の全日本2歳優駿JpnⅠ以来久々のダートグレード制覇。とはいえここまで重賞はなんと11勝。ダートグレードに限っても13戦3勝、2着2回、3着5回と、常に中央の快速馬と互角に渡り合ってきた。現状、ベストは1200mと思われ、今回のJBCスプリントは200mの距離延長がどうか。今年からノーザンファームしがらきで調教され、5歳でも確実にパワーアップしている。

ナイキマドリード(船橋)
船橋1000mで行われた10年のJBCスプリントで6番人気ながらサマーウインドの2着と好走。その後、さきたま杯JpnⅡを含め重賞4勝。そのうち3勝を浦和で挙げているように、浦和1400mが得意。川崎に短距離の適当なレースが少ないこともあり、川崎コースは条件クラスだった10年7月以来2年4カ月ぶりの出走となる。

オオエライジン(兵庫)
デビューから10連勝のあと、初めて挑んだダートグレードは、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnⅢ。3コーナー手前で先頭に立ち、直線ではスーニ、セイクリムズンに交わされたものの3着と善戦。4歳の今年、地元では兵庫大賞典を楽勝したように敵なしだが、帝王賞JpnⅠでは10着。目標を短距離に切り替え臨んだ東京盃JpnⅡは、初めて経験するペースに追走一杯で7着。その1200mのペースを経験した上で、今度はコーナーを4つ回る1400m戦となるだけに、ダートスプリントのスペシャリストを相手にどこまで迫れるか。



文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(11月2日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。