当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第63回全日本2歳優駿(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2012年12月17日
第63回全日本2歳優駿(JpnⅠ)
2012年12月19日(水)川崎競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

鎌倉記念(12年10月17日|川崎)
 1着:インサイドザパーク
 2着:クラグオー
 7着:ルード
 大外からアイディンゴッテスがハナを奪い、1番人気のクラグオーはぴたりと3番手につけた。2番人気のインサイドザパークはスタートでタイミングが合わず置かれたが、向正面で徐々に位置取りを上げた。直線を向くとクラグオーが先頭に立ち、ミータロー、ヒカリワールドなどが追ってきた。インサイドザパークは4コーナーでもまだ中団だったが、大外からまとめて交わして勝利。クラグオーがクビ差で2着に入った。

平和賞(12年10月31日|船橋)
 1着:インサイドザパーク
 2着:アメイジア
 11着:オグリタイム
 インサイドザパークが鎌倉記念から中1週で出走し1番人気に支持された。ヒデサンスピリットが先頭に立ち、2番人気アメイジアが半馬身ほどの差で追走、スタートに難があるインサイドザパークだが、このときは互角のスタートで直後の3番手につけた。直線を向くとアメイジアが抜け出したが、インサイドザパークがじわじわと差を詰め、残り100メートルを切ってとらえると、最後はアメイジアに1馬身差をつけて重賞連勝となった。

北海道2歳優駿(12年11月8日|門別)
 1着:アルムダプタ
 4着:アウトジェネラル
 5着:ジェネラルグラント
 7着:クラグオー
 ジェネラルグラントが単独で逃げ、アルムダプタ、クラグオー、1番人気アウトジェネラルらは中団を追走した。4コーナーで外に持ち出そうとしたアルムダプタだが行き場がなく、内に切り替えるとそのまま直線で突き抜けて勝利。2着にコスモコルデスが入り、JRAの人気薄2頭での決着。アウトジェネラルは外から追ったが4着まで。ジェネラルグラントが5着に入り、クラグオーは直線伸びず7着だった。

ハイセイコー記念(12年11月14日|大井)
 1着:ソルテ
 5着:キタサンオーゴン
 逃げたサブノランマルが4コーナーまで先頭だったが、3番手を追走していたヴェリイブライトが持ったままで並びかけると、直線を向いて先頭へ。これをマークするように追ってきたソルテが残り200メートルのあたりで交わしにかかると、そのまま突き放して圧勝。ヴェリイブライトが3馬身差の2着。2番人気のナリチュウドラゴンも直線伸びてきたが3着。中団より後ろを追走したキタサンオーゴンは5着まで。

南部駒賞(12年11月18日|水沢)
 1着:オグリタイム
 最初の4コーナーでオグリタイムが先頭に立ちかけたが、内のコスモアックスにハナを譲り、オグリタイムは控えて2番手を追走した。3コーナーからオグリタイムが前に並びかけると、そのまま直線では後続を突き放して完勝。中団から徐々に位置取りを上げてきた1番人気ミータローが3馬身差2着。コスモアックスが3着に粘り、北海道からの遠征馬が上位3着までを独占した。

兵庫ジュニアグランプリ(12年11月29日|園田)
 2着:アップトゥデイト
 オオエピクシーが逃げ、アースゼウス、カイロスが追走して前3頭がハイペースでレースを引っ張った。しかし向正面で一気に先頭に立ったケイアイレオーネが徐々に後続との差を広げると、直線では独走となって圧勝。1コーナーを後方3番手でまわったアップトゥデイトは向正面から徐々に位置取りを上げると、直線ではインから伸び、勝ったケイアイレオーネから5馬身差の2着に入った。



<注目馬解説>

インサイドザパーク(船橋)
 地元の平和賞を目標として、鎌倉記念から中1週で重賞連勝。スタートが課題とされ、それでいて6戦4勝、2着2回という安定感が光る。前走平和賞は、出遅れることなく互角のスタートで、好位から前をとらえるだけという横綱相撲ともいえるレースぶりを見せた。今回は初めての中央馬が相手で、引き続きスタートが課題となるが、コースも距離も経験しているアドバンテージは大きい。

サマリーズ(JRA)
 芝のデビュー戦は4着だったものの、続くダート1200メートルの未勝利戦では、3番手から直線抜け出すと6馬身差の圧勝。そして前走ダート1400メートルのポインセチア賞は、中団追走から早めに先行勢のうしろにとりつき、直線ではダノンレジェンドとの叩き合いをハナ差で制した。3着には5馬身差がついた。父ハードスパンはアメリカで7ハロンのG1勝ちがあり、ケンタッキーダービー、BCクラシックでともに2着。アメリカで種付された持ち込み馬で、母もアメリカのスピード血統。

ジェネラルグラント(船橋)
 デビューから2連勝のあと、札幌芝のクローバー賞で2着と好走したが、札幌2歳ステークスでは12着。ホッカイドウ競馬の地元限定重賞サンライズカップでは、全国区といってもいいレベルの高いメンバーを相手に逃げ切り勝ち。北海道2歳優駿でも逃げたが、直線入口で内から外から並びかけられ、粘り切れず5着だった。船橋・出川克己厩舎に移籍しての初戦となる。

アルムダプタ(JRA)
 ダート1800メートルの新馬戦は4番人気で好位から抜け出し勝利。2戦目となった北海道2歳優駿は7番人気と低評価だったが、直線で内から抜け出す完勝だった。父スペシャルウィークの産駒は芝での活躍馬が目立つが、ダートでも今年帝王賞を制したゴルトブリッツを出している。デビューからダートで2連勝と、まだ底を見せていない。

ドコフクカゼ(JRA)
 デビューからダートの中距離のみを使われ、2戦目の未勝利戦を勝ったあと、東京ダート1600メートルのプラタナス賞は馬群の中を進んで5着に敗れた。しかし前走、水の浮く不良馬場で行われたもちの木賞(京都ダート1800メートル)は、内枠を利して2コーナーで先頭に立つと、ゴール前迫ってきた2頭を振り切り、2歳のコースレコードでの勝利。父ワイルドラッシュは、トランセンド、パーソナルラッシュ、ナイキマドリードなどダートでの活躍馬を輩出している。

アップトゥデイト(JRA)
 中京1400メートルの新馬戦をコースレコードで勝利。2戦目は芝の中京2歳ステークスに出走したが8頭立ての7着。ダートに戻ったヤマボウシ賞(阪神ダート1400メートル)は、直線で先頭を争っていたマルヴァーンヒルズ、アースゼウスらをまとめて交わし去っての勝利。前走兵庫ジュニアグランプリはケイアイレオーネに5馬身ちぎられての2着だったが、今回はそのケイアイレオーネが不在なだけに、巻き返しなるかどうか。父は芝でもダートでも活躍馬を輩出しているクロフネ。

アウトジェネラル(船橋)
 デビュー戦の大差勝ちで一躍注目の的となったが、断然人気で臨んだ栄冠賞はシーギリヤガールをとらえきれず2着。しかしその後距離が1800メートルに伸びたオープンのアルデバラン賞で8馬身差の圧勝劇を見せた。サンライズカップは、逃げたジェネラルグラントに直線で迫ったがクビ差とらえきれず。1番人気と期待された北海道2歳優駿は4着だったが、逃げたジェネラルグラントはとらえた。船橋・川島正行厩舎に移籍して臨む。

クラグオー(北海道)
 2010年に牝馬ながら北海道3歳三冠を制したクラキンコの全弟として、デビュー前から注目を集めた。前々走鎌倉記念は直線で先頭に立ったものの、ゴール前でインサイドザパークに交わされ惜しくもクビ差2着。前走北海道2歳優駿は中団まま離されての7着だった。ここまでの4勝はすべて門別1700メートル戦。血統的にも、3歳以降、さらに距離が伸びてからの期待のほうが大きい。

ソルテ(大井)
 デビュー2戦目で初勝利を挙げ、3戦目のはくたか特別では勝ち馬から7着馬までコンマ3秒差という大接戦のなかで4着。ハイセイコー記念は9番人気という低評価ながら、はくたか特別で先着されたナリチュウドラゴン、ヴェリイブライトらをまったく相手にせず、直線で突き抜けた。それを急激な成長と見れば、初めての中央馬相手でも期待できるかもしれない。インサイドザパークと同じタイムパラドックス産駒。

タプローム(JRA)
 デビューから5戦は芝を使われ3着が最高という成績で、ダートに替って2連勝。初勝利となったダート1200メートルの未勝利戦は、好位から直線で抜け出し。同じくダート1200メートルの2歳500万下は、15頭立てのブービー人気ながら、中団追走から37秒2のメンバー中最速の上りで前をとらえての勝利。父ケイムホームの産駒は、船橋のケイアイライジンをはじめ地方重賞での活躍馬が多数。小回りコースのマイル戦に対応できるかどうか。



文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月17日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。