当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第35回帝王賞(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2012年06月25日
第35回帝王賞(JpnⅠ)
2012年6月27日(水)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

フェブラリーステークス(12年2月19日|JRA東京)
 1着:テスタマッタ
 5着:エスポワールシチー
 トランセンドに注目が集まり、セイクリムズンが最初の3ハロンを34秒7のハイペースで逃げる展開。4コーナーを13番手あたりで回ったテスタマッタが直線で一気に前の馬群をとらえ、残り200メートルあたりで先頭。さらにうしろから追い込んできたシルクフォーチュンに2馬身差をつけて完勝。好スタートから5番手あたりに控えたエスポワールシチーも直線伸びてはいるが5着まで。

ダイオライト記念JpnⅡ(12年3月14日|船橋)
 1着:ランフォルセ
 3着:トーセンルーチェ
 8着:シビルウォー
 9着:グランシュヴァリエ
 12着:トーセンゴライアス
 フリオーソが逃げ、ワンダーアキュート、ランフォルセがぴたりとマークして3頭が先行。4番手以下は大きく離れる展開で、4コーナーあたりでは前3頭の決着かに思えたが、厳しいペースでフリオーソ、ワンダーアキュートが脱落。4番手以下に控えた中からピイラニハイウェイ、トーセンルーチェがゴール前で一気に迫ったが、先行勢で唯一粘ったランフォルセがしのいで勝利。初の兄弟対決はトーセンルーチェがフリオーソ(5着)に先着した。

アンタレスステークス(12年4月14日|JRA阪神)
 1着:ゴルトブリッツ
 1番人気に支持されたゴルトブリッツは、やや縦長の5番手を追走。3~4コーナーではニホンピロアワーズらが先に仕掛けたため8番手あたりまで位置取りを下げたものの、直線を向くと外から一気に弾け、並ぶ間もなく前をとらえ、ゴールでは手綱を抑える余裕の勝利。逃げ粘っていた伏兵アイファーソングに2馬身差をつけた。

かしわ記念JpnⅠ(12年5月2日|船橋)
 1着:エスポワールシチー
 3着:テスタマッタ
 4着:ランフォルセ
 9着:グランシュヴァリエ
 フリオーソがハナに立ち、ひとつ外の枠のエスポワールシチーは控えて2番手。3コーナーでエスポワールシチーがフリオーソに並びかけ2頭の一騎打ちとなったが、直線でじわじわと差を広げたエスポワールシチーが2馬身半差をつけ、このレース3勝目。1コーナーを回るところでごちゃつく場面があったテスタマッタも迫ったが、フリオーソから2馬身の差3着。GⅠ・JpnⅠ馬が上位を占める結果で、ランフォルセは離れた4着だった。

兵庫大賞典(12年5月4日|園田)
 1着:オオエライジン
 地元同士なら無敵のオオエライジンは2番手を追走し、ペースが落ち着いた1周目のスタンド前でも木村健騎手が手綱を引いて、じっと我慢の追走。ペースアップした3コーナー手前で先頭に立つと、直線に入ると馬が遊ぶような場面も見られたものの、後続を寄せ付けず。2着馬との着差は3馬身だったが、実際に脚を使ったのはゴール前の数十メートルだけで、着差以上の完勝だった。

大井記念(12年5月23日|大井)
 1着:トーセンルーチェ
 3着:ナムラブレット
 12着:トーセンゴライアス
 長丁場のスローペースで前は出入りの激しい展開。しかし断然人気のトーセンルーチェは動じず、ラチ沿いの5番手あたりを追走。3~4コーナーでも持ったまま3番手まで進出、直線を向いて外に持ちだして追い出されると、あっという間に後続を置き去りにして完勝。中団からピサノエミレーツ、ナムラブレットが直線外を伸びてきたが、トーセンルーチェに迫るまでには至らなかった。



<注目馬解説>

オオエライジン(兵庫)
 2歳時から無傷の10連勝を達成し、その中には地元の兵庫ダービーのほか、大井の黒潮盃、笠松の岐阜金賞なども含まれる。中央勢と初対戦となった昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnⅢは先頭で直線を向いたが、スーニ、セイクリムズンに交わされて3着。佐賀記念JpnⅢは絶好の手ごたえで2番手だったが、直線思いのほか伸びず5着。とはいえいまだ地方馬には先着を許していない。兵庫大賞典を制し、ここを目標に調整してきた。

ランフォルセ(JRA)
 ダート中距離を中心に使われ、昨年7月のマリーンステークス(函館)はテスタマッタを負かしてのレコード勝ち、続く9月のエルムステークスGⅢで重賞初勝利。川崎記念JpnⅠでスマートファルコンの2着があり、ダイオライト記念JpnⅡは、厳しいペースながらフリオーソ、ワンダーアキュートを競り落として勝った。前走かしわ記念JpnⅠは離されての4着だが、昨年東京競馬場で行われた南部杯JpnⅠでも6着だったように、マイルは距離不足。2000メートル以上で力を発揮する。

トーセンルーチェ(船橋)
 中央では500万勝ちまでで、昨年春に船橋・川島正一厩舎に転厩。南関東10戦目となった今年2月の金盃(大井)で重賞初勝利。続くダイオライト記念JpnⅡでは、ゴール前猛追し、勝ったランフォルセに半馬身+半馬身差の3着に迫った。初対決となった兄フリオーソにも先着した。前走大井記念は楽勝。ダートグレード勝ちがなくとも、過去に金盃、大井記念の勝ち馬からからは、アブクマポーロ、ネームヴァリュー、ボンネビルレコードなど、帝王賞JpnⅠでの好走馬も少なくない。

ゴルトブリッツ(JRA)
 芝では結果が出ず、3歳未勝利で一旦道営に移籍してからダートで快進撃。ここまでダートに限れば12戦9勝。負けた3戦はそれぞれ理由がある。一昨年の東京大賞典JpnⅠは500万勝ちで臨んだ格上挑戦。昨年の東海ステークスGⅡは、ワンダーアキュートのレコード勝ちに、ランフォルセ、テスタマッタなど相手が強かった。秋のみやこステークスGⅢは心房細動。休養開け後、仁川ステークス、アンタレスステークスGⅢと強い勝ち方で連勝し、調子を上げて臨むJpnⅠの舞台となる。

テスタマッタ(JRA)
 3歳時、重賞初挑戦となったジャパンダートダービーJpnⅠを勝利。4歳時も川崎記念JpnⅠ・3着、フェブラリーステークスGⅠ・2着など好走したものの、その後は昨年のマーチステークスGⅢ(阪神)を制したほかは今ひとつのレースが続いた。しかし今年のフェブラリーステークスGⅠでは、シルクフォーチュンのお株を奪う直線一気で復活の勝利。前走かしわ記念JpnⅠでは、1コーナーでごちゃついて位置取りを下げ、それでも3着は確保した。直線の長い大井で巻き返すか。

シビルウォー(JRA)
 追い込み脚質から、オープンや重賞では好走するも勝ちきれずというレースが目立っていたが、昨年のブリーダーズゴールドカップJpnⅡ、白山大賞典JpnⅢは、前が競り合う展開がはまって連勝。その後、JBCクラシックJpnⅠ・3着、浦和記念JpnⅡ・2着と好走したが、今年2戦は得意の距離にもかかわらず、掲示板にも乗れず。距離が長いほうが合うことは確かで、夏から秋にかけて好走する傾向もある。

ミラクルレジェンド(JRA)
 昨年のレディスプレリュード、JBCレディスクラシックでラヴェリータを負かし、そのラヴェリータが引退した今、ダート牝馬では絶対女王というべき存在。前走東海ステークスGⅡは5着だったものの、勝ったソリタリーキングからはコンマ2秒差。シビルウォー、バーディバーディ、ワンダーアキュートら、ダートグレード実績のある牡馬に先着している。この翌週には牝馬のスパーキングレディーカップJpnⅢがあるが、再び牡馬一線級に挑んできた。

エスポワールシチー(JRA)
 アメリカのブリーダーズカップ・クラシックに遠征(10着)して以降、名古屋大賞典JpnⅢ、みやこステークスGⅢを勝っているとはいえ、GⅠ・JpnⅠ戦線では、それまでの実績を思えばやや物足りない成績が続いていた。しかし今年のかしわ記念JpnⅠでは、フリオーソとの一騎打ちを制し、2年ぶりのJpnⅠ勝ちがかしわ記念3勝目となった。ダート2000メートルはブリーダーズカップを含めて2度しか経験がなく、昨年の帝王賞JpnⅠではスマートファルコンに勝負を挑み、9馬身離されての2着。これをどう評価するか。



文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(6月25日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。