第57回東京大賞典(GT) 参考レース&注目馬解説

2011年12月27日
第57回東京大賞典(GT)
2011年12月29日(木)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

JBCクラシックJpnT(11年11月03日|大井)
 1着:スマートファルコン
 3着:シビルウォー
 スマートファルコンが外枠からハナを主張し、トランセンドは2番手、シビルウォーがやや離れて3番手に続き、4番手以降は大きく離れる展開。3コーナーでトランセンドが迫ったが、直線を向くとスマートファンコンが突き放した。ゴール前では再びトランセンドが差を詰めてきたが、スマートファルコンが1馬身差で振り切り、JBCクラシック連覇達成。シビルウォーは差を詰めることができず3馬身半差で3着。

ジャパンカップダート(11年12月04日|JRA阪神)
 2着:ワンダーアキュート
 7着:ヤマニンキングリー
 12着:テスタマッタ
 勝ったのは1番人気のトランセンドで、直線突き放しての逃げ切りだった。スタートで躓いて後方からとなったワンダーアキュートは、直線馬群の間を縫うように伸び、2番手で粘るエスポワールシチーをゴール前でとらえ、トランセンドからは2馬身差の2着。後方から徐々に位置取りを挙げたヤマニンキングリーは着順こそ7着だが、2着のワンダーアキュートとはコンマ2秒差。テスタマッタは4コーナーで好位にとりついたが直線で後退。

勝島王冠(11年11月30日|大井)
 1着:スマートインパルス
 2着:ツルオカオウジ
 3着:カキツバタロイヤル
 人気を集めた2頭、カキツバタロイヤルとツルオカオウジは、互いを意識するように中団を追走。直線を向くと2頭が馬体を併せて先頭に立ち、一騎打ちになるかに思えたが、道中ラチ沿いの3番手でじっと我慢していたスマートインパルスが直線で追い出されると、ゴール前で一瞬の末脚を発揮。2頭の内から差し切って勝利。外のツルオカオウジがクビ差2着で、真ん中のカキツバタロイヤルはさらにクビ差の3着。



<注目馬解説>

シビルウォー(JRA)
 ダートのオープンや重賞では後方から追い込んで届かずというレースが目立っていたが、ブリーダーズゴールドカップJpnUでは、前が競り合う流れを早めにとらえにかかり、直線突き抜けて6馬身差の圧勝で重賞初制覇。続く白山大賞典JpnVでも早め先頭のニホンピロアワーズを直線でとらえて完勝。JBCクラシックJpnTは2強に続く3着。浦和記念JpnUではほとんど勝ったようなレースながら惜しくも2着だったが、地方の2000メートル以上のレースは流れが合う。

ワンダーアキュート(JRA)
 今年はここまでダートの1800〜2000メートルで7戦して6連対と安定した成績。中には東海ステークスGUでのレコード勝ちがあり、前走ジャパンカップダートGTではスタートで躓いて後方追走も、上り3ハロンをメンバー中唯一の36秒台の末脚で追い込み2着を確保した。ただ、昨年の東京大賞典JpnTは大きく離されての10着、一昨年のジャパンダートダービーJpnTは勝ったテスタマッタから9馬身ほど離されての5着と、大井コースでは2度とも惨敗しているのが気になるところ。

カキツバタロイヤル(船橋)
 笠松デビューで3歳時に重賞を2勝。船橋に転じてB級から順調にクラスを挙げると、南関東で重賞初挑戦となった昨年のサンタアニタトロフィーを6番人気で勝利。以降、マイル〜長距離の重賞戦線で常に上位争いに加わっている。今年はダートグレードでも、ダイオライト記念JpnUで2着、日本テレビ盃JpnUで3着と、ともに勝ったスマートファルコンからは離されはしたが、他の中央勢とは互角の勝負をしている。

ツルオカオウジ(大井)
 昨年3歳時は、春の三冠こそ間に合わなかったものの、重賞初挑戦となった黒潮盃を1番人気で制して一躍注目の存在となった。デビュー以来一貫して大井コースのみを走り、黒潮盃以降は重賞・準重賞で常に上位争い。特にここ3戦の重賞は、勝ち馬とはタイム差なしの大接戦。父は帝王賞も制した岩手の雄、メイセイオペラ。今回、ダートグレード初挑戦だが、戸崎圭太騎手に乗り替わって中央勢の一角崩しを狙う。

スマートインパルス(大井)
 船橋デビューで、その後移籍していた名古屋から年明けに大井に転入。B級で勝ち切れないレースが続いたが、7月からいきなり5連勝と素質開花。前走、久々の重賞挑戦となった勝島王冠は、連勝の快進撃以来鞍上をつとめていた御神本訓史騎手が直前のレースで落馬負傷。急遽乗り替わったムンロ騎手の好騎乗で、ゴール前、人気2頭を差し切った。11月から2開催連続で大井の重賞を制したムンロ騎手の手綱さばきにも注目だ。

ヤマニンキングリー(JRA)
 3歳時の中日新聞杯が重賞初制覇で、09年4歳時の札幌記念では、先日の有馬記念で引退したブエナビスタをクビ差でしりぞけ注目を集めた。しかしその後は4着が最高という成績で、目立たない存在となっていた。そしてデビュー以来初めてのダート挑戦となった10月のシリウスステークスGVでは、2番手追走から直線抜け出して快勝。前走ジャパンカップダートGTも着順こそ7着だが、2着のワンダーアキュートからはコンマ2秒差。ダートであらためて頂点を狙う。

テスタマッタ(JRA)
 3歳時、重賞初挑戦となったジャパンダートダービーJpnTを快勝し、昨年4歳時も川崎記念JpnT・3着、フェブラリーステークスGT・2着など好走。しかし今年は阪神競馬場で行われたマーチステークスGVを制したほかダートのオープン特別で2着、3着という成績はあるものの、あっさり着外というレースも少なくない。3歳時にアッと言わせた舞台、しかも鞍上もそのときと同じ岩田康誠騎手で、再びという場面があるかどうか。

スマートファルコン(JRA)
 昨年のJBCクラシックでJpnT初制覇を果たして以来、ダートグレードで目下7連勝の快進撃。特に前走、連覇となったJBCクラシックJpnTでは、トランセンドを寄せ付けず完勝。重賞17勝はJRA所属馬の重賞最多勝記録を更新中。とはいえここまではローカルグレード「Jpn」のタイトルしかなく、最大目標としているドバイワールドカップ出走へ向けては、今年から国際GT格付けとなったここで、できるだけ着差をつけて勝っておきたいところ。


文・構成:斎藤修(サイツ)
写真:いちかんぽ



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月27日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。