第13回ジャパンダートダービー(JpnT) 参考レース&注目馬解説

2011年07月11日
第13回ジャパンダートダービー(JpnT)
2011年7月13日(水)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

兵庫チャンピオンシップJpnU(11年05月04日|園田)
 1着:エーシンブラン
 JRAの有力馬が出遅れる中、初ダートで4番人気のエーシンブランが好スタートから先頭へ。地元のホクセツサンデーが2番手でマークした。2周目向正面に入ると縦長の展開となり、エーシンブランに食らいついて行ったのはホクセツサンデーのみ。直線に入るとエーシンブランはホクセツサンデーとの差を徐々に広げ、6馬身突き放して楽々とゴール。1番人気に支持されたラヴィアンクレールはさらに5馬身差の3着だった。

ユニコーンステークス(11年06月04日|JRA東京)
 2着:グレープブランデー
 3着:ボレアス
 9着:エーシンブラン
 スタートしてエーシンブランが先頭も、控えて4番手。ボレアスは中団、1番人気グレープブランデーはやや離れた後方集団の先頭を追走した。直線を向いてエーシンブランが先頭に立ちかけたものの、すぐに後退。道中3番手追走の牝馬アイアムアクトレスが抜け出し、そのまま押し切って勝利。グレープブランデーはメンバー中最速の上り3ハロン36秒4で外から追い上げたが1馬身差の2着。ボレアスも迫ったが2馬身差の3着だった。

東京ダービー(11年06月08日|大井)
 1着:クラーベセクレタ
 2着:ヴェガス
 3着:キスミープリンス
 13着:ブラックサンダー
 14着:ジャクソンライヒ
 中団からとなった断然人気クラーベセクレタは、向正面で徐々に位置取りを上げ、3コーナーでは先団の直後にとりついた。4コーナー、楽な手ごたえで外からクラーベセクレタが先頭をうかがうと、直線を向いて単独先頭。道中最後方からロングスパートで押し上げてきたヴェガスが迫ったが、これを1馬身差で振り切って勝利。4コーナー11番手のキスミープリンスも直線よく伸びたが、前との差は詰まらず1馬身半差の3着まで。

東海ダービー(11年06月10日|名古屋)
 1着:アムロ
 2着:ミサキティンバー
 3番手を追走していたアムロが3〜4コーナーで先頭へ。後方3〜4番手を追走していた1番人気のミサキティンバーも3コーナー手前からスパートして大外をまくってきた。直線を向いてアムロが単独で先頭に抜け出したが、ミサキティンバーも外から猛然と追い込んできた。2頭が鼻づらを並べたところがゴール。アムロがわずかにハナ差でしのいで重賞初制覇を果たし、ミサキティンバーは惜しくも2着惜敗となった

岩手ダービーダイヤモンドカップ(11年06月13日|岩手)
 1着:ベストマイヒーロー
 2着:スパルタン
 単勝元返しのベストマイヒーローが五分のスタートを切り、押して先頭に立つとすぐにペースが落ち着いた。スパルタンは中団5番手を追走。ベストマイヒーローは後続を引き付けて逃げる形になったが、直線を向いて軽く追い出されると、後続を突き放して独走。9馬身離れた2着争いは、2番手追走のヤマトスバルと3〜4コーナーで押し上げたスパルタンとの叩き合いとなったが、半馬身差でスパルタンが先着した。

関東オークスJpnU(11年06月15日|川崎)
 2着:ピュアオパール
 初ダートで5番人気のピュアオパールが外枠から先頭に立ち、後続をやや離して逃げる展開。向正面に入るとペースを落として後続を一旦引き付け、3〜4コーナーからスパート。最後の直線を向いてピュアオパールが再び引き離しにかかり、そのまま逃げ切るかに思えたが、道中3〜4番手を追走していた1番人気のカラフルデイズが徐々に差を詰め、ゴール前で差し切って勝利。ピュアオパールはクビ差で2着だった。



<注目馬解説>

アムロ(愛知)
 デビューした北海道ではJRA認定競走を勝てず、一般の未勝利で1勝を挙げたのみ。シーズン終了後に移籍した名古屋で徐々に力をつけた。名古屋で4勝を挙げ、重賞初挑戦となった駿蹄賞は流れに乗れず7着。その後1勝を加えて臨んだ東海ダービーでは、3番手追走から3〜4コーナーで先頭に立ち、直線で単独で抜け出した。ゴール前ではミサキティンバーに迫られたものの、これをハナ差でしりぞけ重賞初制覇となった。

カネマサコンコルド(JRA)
 道営デビューで、JRA札幌芝のすずらん賞でも4着と好走。5番人気で臨んだ北海道2歳優駿JpnVを直線での混戦から抜け出して勝利。兵庫ジュニアグランプリJpnUは、エーデルワイス賞JpnVから連勝となったリアライズノユメの2着に敗れたものの、2歳ダートでは上位の実力であることを示した。中央転入後、4カ月半ぶりの復帰戦となったダート戦は11着も、続く芝のオープンでは5着と好走。叩き3戦目の今回、さらに上位を狙う。

クラーベセクレタ(船橋)
 道営でデビューし、中央挑戦では結果を残せなかったが、栄冠賞、フローラルカップを制した。1番人気で臨んだエーデルワイス賞JpnVは後方からの厳しい展開で4着。しかしその後船橋に移籍して快進撃。牝馬限定重賞のみならず、南関東1冠目の羽田盃では2着に7馬身差をつける楽勝。続く東京ダービーも次々と迫る後続を振り切って2冠を達成した。ジャパンダートダービーJpnTでは、ロジータ以来22年ぶりの牝馬による3冠制覇がかかる。

タガノロックオン(JRA)
 未勝利勝ちはダートだが、芝でも2歳時に500万円未満を勝利。朝日杯フューチュリティステークスやスプリングステークスなど芝の重賞には3度挑戦していずれも2桁着順だったが、前々走芝1400メートルの橘ステークスでは後方から上り34秒台の末脚で4着と好走。前走ダート1800メートルのあおぎりステークスでは、向正面で早め先頭に立ち、直線でも後続を寄せ付けずに押し切った。ダートでは2戦2勝で3歳の頂点を狙う。

キスミープリンス(浦和)
 2歳5月という早い時期のデビューから連対を外さない堅実な成績で、南関東2歳最初の重賞、鎌倉記念を制覇。全日本2歳優駿JpnTでも地方最先着の3着と好走した。京浜盃ではクラーベセクレタに2馬身半差の2着。羽田盃では差をつけられての6着惨敗だったが、的場文男騎手に乗替った東京ダービーでは直線よく伸びて1馬身+1馬身半差の3着と再び好走。鎌倉記念以来勝ち星から遠ざかっているが、今回も的場騎手でどこまで迫るか。

ボレアス(JRA)
 期待のディープインパクト産駒。デビューからダートの中距離を中心に使われ、デビュー3戦目に初勝利を挙げると、500万円未満の樅の木賞と連勝。芝の毎日杯では12着に敗れたが、再びダートに戻ると、3歳オープンのいぶき賞で2着、そしてユニコーンステークスGVでは中団追走から直線で前に迫って3着と好走。その2戦ではともにグレープブランデーに先着されているが、初めての地方の舞台で逆転を狙う。

ヴェガス(川崎)
 デビュー時から末脚を生かす競馬で、圧巻のレース運びで2連勝と注目を集めた。しかしその後は勝ち星から遠ざかったまま。とはいえ4月のクラウンカップでは14番人気ながら2着と好走。羽田盃でも3着に入ったが、勝ったクラーベセクレタからは1秒6もの差をつけられた。前走東京ダービーも最後方追走。しかし今度は早めにまくり、直線ではクラーベセクレタに迫って1馬身差まで追い詰めた。その成長度には目を見張るものがある。

グレープブランデー(JRA)
 デビューからダート中距離を中心に使われ、ここまで7戦3勝、2着4回とオール連対。唯一、芝に挑戦したすみれステークスでも好位で粘って2着と好走した。京都ダート1800メートルのいぶき賞では、好位から抜け出し1番人気にこたえての勝利。重賞初挑戦となったユニコーンステークスGVでは中団よりうしろからの追走となったが、メンバー中最速の上りで前に迫り、1馬身届かずの2着だった。大井の長い直線でもその末脚が生かせそうだ。

ベストマイヒーロー(岩手)
 デビューから8戦7勝。唯一2着に負けたのは芝のジュニアグランプリで、先着されたのは道営からの遠征馬だった。岩手ダービーダイヤモンドカップでもスピードの違いでハナに立つと、直線では軽く追い出されただけで後続をあっという間に突き放し5馬身差の圧勝。昨年岩手からジャパンダートダービーJpnTに出走(9着)したロックハンドスターとは、馬主、厩舎、騎手と同じチームで再びの挑戦。初の遠征やナイターが課題となる。

ミサキティンバー(愛知)
 重賞初挑戦となった2歳時のゴールドウィング賞は中団から直線での差し切り勝ち。後方追走から末脚勝負という脚質ゆえ、名古屋の短い直線では追い込んで届かずというレースも目立ち、新春ペガサスカップ、スプリングカップは惜しくも2着に敗れた。しかし駿蹄賞では早めの仕掛けが功を奏して2着に3馬身差をつける完勝。前走東海ダービーでも直線猛然と追い込んだが惜しくもハナ差届かず。大井の長い直線で末脚を生かせるかどうか。

エーシンブラン(JRA)
 デビューから芝の短距離で2連勝。その後も芝のマイル以下を使われ、重賞でも好走したが、強敵相手には2桁着順も。初ダートとなった兵庫チャンピオンシップJpnUでは、すんなりハナを奪うと、徐々に後続との差を広げ、唯一食い下がってきた地元のホクセツサンデーを直線で突き放して圧勝となった。ユニコーンステークスGVでは直線で先頭をうかがう場面もあったが、末をなくして9着。ゆったり流れる大井2000メートルで巻き返しを図る。

ピュアオパール(JRA)
 新馬、オープンと連勝、その後も芝のみを使われ、重賞ではやや荷が重い感じの成績だが、JRAオークストライアルのスイートピーステークスでは4着と好走。とはいえオークスの出走権は獲れず、矛先を初ダートとなる関東オークスJpnUに変更。スタートから後続を離して逃げ、そのまま逃げ切るかに思えたが、人気のカラフルデイズにクビ差交わされての2着。クラーベセクレタとともに強い牝馬をアピールできるかどうか。


文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(7月11日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。