第23回かしわ記念(JpnT) 参考レース&注目馬解説

2011年05月02日
第23回かしわ記念(JpnT)
2011年5月5日(祝・木)船橋競馬場 1,600m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

かしわ記念JpnT(10年05月05日|船橋)
 1着:エスポワールシチー
 2着:フリオーソ
 10着:トウホクビジン
 逃げたのはポートジェネラルで、フリオーソが1馬身ほどの差で2番手を追走。エスポワールシチーはやや離れた3番手で、フリオーソをマークする位置でレースを進めた。4コーナーでフリオーソが先頭に立ち、直線を向くとエスポワールシチーがじわじわと差を詰め、2頭の一騎打ち。エスポワールシチーはなかなか交わしきれなかったものの、ゴール前の一瞬で突き放して勝利。フリオーソは1馬身半差で2着に入った。

マイルチャンピオンシップ南部杯JpnT(10年10月11日|盛岡)
 1着:オーロマイスター
 2着:エスポワールシチー
 3着:グランシュヴァリエ
 ハナを切ったのはセレスハントで、オーロマイスターが半馬身ほどの差で外につけ、エスポワールシチーは直後3番手の内を追走。外から進出したグランシュヴァリエが4コーナーで先頭に並びかけた。直線を向くとセレスハントが後退、オーロマイスターが後続を突き放しコースレコードで勝利。断然人気のエスポワールシチーは差を詰めることができず、3馬身差をつけられて2着。グランシュヴァリエが2馬身差の3着と大健闘。

エンプレス杯JpnU(11年03月02日|川崎)
 1着:ラヴェリータ
 8着:トウホクビジン
 ラヴェリータはまずまずのスタートも、外から1頭、2頭と交わされ位置取りを下げた。1周目のスタンド前では6番手のラチ沿いに閉じ込められるような形での追走となった。先行していた2頭、ブラボーデイジーとプレシャスジェムズが直線を向くと馬体を併せて一騎打ち。2頭の決着かと思ったところ、ぽっかりと開いたラチ沿いを突いてラヴェリータがゴール前の一瞬で差し切って勝利。半馬身差の2着がブラボーデイジーだった。

ポラリスステークス(11年03月21日|JRA阪神)
 1着:ダイショウジェット
 4着:オーロマイスター
 直線半ばまで逃げ粘っていたのはインオラリオだったが、一気に馬群に飲み込まれ8着。しかし7着までがコンマ2秒差に入る大接戦。ゴール前でマルカベンチャーが先頭に立ちかけたところ、道中後方から5番手を追走していたダイショウジェットが外から一気に伸びてハナ差とらえたところがゴール。クビ差3着がケイアイガーベラで、中団から内ラチ沿いを伸びてきたオーロマイスターがさらにクビ差の4着に入った。



<注目馬解説>

エスポワールシチー(JRA)
 09年のかしわ記念がJpnI初制覇で、昨年の同レースまでGI・JpnIのみを使われ破竹の5連勝。アメリカ遠征前のひと叩きとして使われたマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIは+15キロの太目残りもあり、オーロマイスターをとらえることができず2着に敗れた。ブリーダーズカップクラシックは先行馬群を進んだものの10着。それ以来の復帰戦となった名古屋大賞典JpnIIIは、仕上がり途上もレコード勝ち。今回は前走以上の仕上げで臨むことになろう。

オーロマイスター(JRA)
 09年4歳時の夏、1000万条件のときにダートに路線変更すると、あっという間にオープンまで出世。昨年、エルムステークスGIII・2着後に臨んだマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIでは、直線でエスポワールシチーを突き放しレコード勝ち。重賞初制覇がJpnI勝ちとなった。しかしその後は力を発揮できず、唯一前々走のポラリスステークスが勝ち馬からコンマ1秒差の4着と善戦。今回、南部杯と同じ左周りのマイル戦で見せ場をつくれるかどうか。

ダイショウジェット(JRA)
 デビュー以来ダートのみを使われ、初めてのオープン勝ちは09年3月のポラリスステークスで、ここまでオープン特別を4勝。ダートグレードでは、09年の武蔵野ステークスGIII、10年の佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIでの2着、今年の根岸ステークスGIIIで3着がある。好走と凡走の落差が大きく、今回も展開次第では上位進出を狙えそう。57キロは背負いなれた斤量だが、8歳にして重賞初制覇がJpnIとまではどうか。

ラヴェリータ(JRA)
 ここまで地方のダートグレードを6勝。そのうち5勝が牝馬限定戦だが、牡馬との対戦でも昨年の名古屋大賞典JpnIIIほか、中央でもオープン特別での勝利はある。たびたび着外もあるが、それは牡馬一線級との対戦ばかり。ダートGIII級のレースで3着を外したのは、09年の武蔵野ステークス(5着)と、前走マーチステークス(14着)の2度のみと、持てる力は常に発揮する。今回は牡馬のGI・JpnI馬にどこまで迫れるか。

ロードバリオス(JRA)
 デビュー以来芝を中心に使われ、ダートは500万時代に2戦して京都1400メートル戦での1勝がある。前々走、六甲ステークが初のオープン勝ち。3歳時以来の重賞挑戦となった前走マイラーズカップGIIは、着順こそ7着だが、逃げ切ったシルポートからコンマ5秒差。芝のマイル戦でのスピードは一線級だが、ダートでどうか。母レディブラッサムにもダートでの勝ち星があり、父がブライアンズタイムという血統なら通用してもおかしくはない。

グランシュヴァリエ(高知)
 中央では1000万条件だったが、高知移籍の初戦として昨年1月、川崎の報知オールスターカップに遠征し、マズルブラストの2着と好走。南関東のダートグレードなどを中心に遠征を続け、昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIでは4コーナーで外から先頭に並びかけ、あわやの場面。直線では離されたが、オーロマイスター、エスポワールシチーに続く3着と善戦。地方での勝ち星は地元高知のみだが、再びあっと言わせる場面があるかどうか。

フリオーソ(船橋)
 7歳を迎えた今年、すでに年明けの川崎記念JpnIを制し、2歳時から6年連続でのダートグレード勝利。JpnIは5勝目とした。中央のダート挑戦では、2度のジャパンカップダートGIでともに着外だったが、前走フェブラリーステークスGIでは、4コーナー11番手という絶望的な位置からゴール前で追い込み、トランセンドには1馬身半及ばなかったものの、見せ場たっぷりの2着。今回も、昨年同様エスポワールシチーとの一騎打ちとなる可能性が高い。

マグニフィカ(船橋)
 東京ダービー3着後、6番人気で臨んだジャパンダートダービーJpnIでは後続を引き付けて逃げ、直線、押し寄せる中央勢を振り切ってダートJpnIのタイトルを獲得。しかしその後は南関東限定のレースでも見せ場のないレースが続いている。とはいえ、2歳暮れに一度落ち込んだのを立て直してのジャパンダートダービー制覇だっただけに、いずれまたあっと言わせる場面があるかもしれない。川島正行調教師の手腕に期待だ。


文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(5月2日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。