「浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
「“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
「高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
「REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名馬の活躍を振り返ります!
「“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
「高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
「REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名馬の活躍を振り返ります!
クイーン賞~東京大賞典(第67回)
クイーン賞JpnⅢ
サクラサクラサクラが飛び出して先頭に立ちましたが、アクティビューティもダッシュ力があって、すぐに2番手につけました。直線でもサクラサクラサクラが粘っていましたが、アクティビューティはさすがにメーデイアの2着していただけあって、このメンバーならというレースぶりでした。牝馬同士のレースならこれからも大きいところを勝てるのではないでしょうか。サクラサクラサクラは折り合いもついて、乗りやすそうな感じがします。今回はすんなりとハナに立って、この馬のペースになりました。山崎誠士騎手はうまく乗ったと思います。
クラーベセクレタは、地元に戻って、道中はいい感じで追走して、4コーナーでは先団の直後につけましたが、直線での追い比べになって遅れてしまいました。5着でしたが、勝ち馬とは差がありました。本来の力が戻れば、もう少し走ってもいいと思うのですが。
カイカヨソウも案外でした。ただ前走のロジータ記念を勝った時は相手がそれほどでもなかったですから、中央馬が相手だとまだ厳しいのかもしれません。
全日本2歳優駿JpnⅠ
武騎手(スザク)と福永騎手(ニシケンモノノフ)が2コーナーの手前まで競り合って行きました。福永騎手もハナに行くつもりだったと思いますが、武騎手のほうが内枠でしたから、さすがにあそこまで行ったら譲らないわけにはいきませんでした。ハッピースプリントはそれを前に見て3番手からでした。向正面からペースが上がって、ニシケンモノノフは、3コーナー過ぎで意外に早くバテてしまいました。ハッピースプリントは4コーナーでスザクに並びかけて、しばらくは並走していましたが、余裕がありました。力はハッピースプリントのほうが断然上です。1分40秒4という勝ちタイムも優秀です。前2頭が引っ張ってペースが速くなったこともありますが、スザクに1馬身半で、3着には6馬身差です。勝ちタイムは例年より1秒以上速かったと見ていいでしょう。ハッピースプリントは予想以上に強いレースをしました。ホッカイドウ競馬の馬は、毎年左回りが心配されますが、この馬はまったく問題なくこなしていました。末脚が切れるタイプですから、大井の長い直線ならさらに強いレースをするかもしれません。
サーモピレーも、人気はありませんでしたが、好位のうしろをついていって、最後はよく伸びていました。さらに力をつけてくれば3歳になって期待できそうです。
名古屋グランプリJpnⅡ
シビルウォーにとっては、長距離で絶好の展開になりました。向正面からムチを入れていって、3~4コーナーで一気に交わして行きました。追って追って伸びる馬ですから、こういう馬は内田博幸騎手に向いていると思います。内田騎手だから勝てたと言ってもいいかもしれません。エーシンモアオバーが行くかと思いましたが、内のトウショウフリークがスタートで気合を入れたこともあって掛かってしまい、後続を離しての逃げになりました。最初の1周はずっと掛かったままで、2周目に入ってようやく落ち着きました。最後は止まってしまうかと思いましたが、よく2着に粘らせたと思います。
ナイスミーチューは、2周目まではシビルウォーと同じようにいい位置を進んでいたのですが、シビルウォーが仕掛けたところでついて行けませんでした。向正面からずっと追いどおしで、それでもゴール前で一気に迫りましたが、トウショウフリークにクビ差届かず3着でした。こういう脚質の馬は、次はダイオライト記念あたりを使うといいのではないでしょうか。
兵庫ゴールドトロフィーJpnⅢ
ドリームバレンチノは外枠だったこともあり、前4頭が競り合って行ったので控えて中団からでした。そして向正面で一気に仕掛けて行きました。岩田騎手がうまく乗ったことこともありますが、このメンバーでは力が抜けていました。エプソムアーロンもよく走りました。勝ち馬と同じような位置を追走して、向正面でペースが上がったときは、前に手ごたえをなくしたティアップワイルドがいて、行き場をなくすようなところがありました。勝ち馬からは離されましたが、最後に伸びて2着でしたから、9歳でもさすがに中央の元オープン馬です。
ダイショウジェットはテンが早くなったぶん、持ち味の末脚が生きる展開になりました。
エーシントップは、スタートで出負けしたことで少し掛かり気味に行ってしまいました。最後に失速したのはそのぶんだったかもしれません。
東京大賞典GⅠ
サトノプリンシパルが単独での逃げになりましたが、3コーナーからは人気馬同士3頭が併走する形になって交わして行きました。ホッコータルマエは、最後はワンダーアキュートとの競り合いになりましたが、追ってからがいい馬ですから、追い比べになると強いレースをします。4コーナーのごちゃついたところで躓いたようでしたが、あれでよく立て直したと思います。ジャパンカップダートでは早めに単独で先頭に立って、幸騎手が慌てるようなところがありましたが、今回は落ち着いて乗っていました。真っ向勝負になれば、この馬が一番強いと思います。ワンダーアキュートはホッコータルマエとの競り合いになって、1馬身半差でした。ホッコータルマエが来るのを待って追い出していますから、武騎手も精一杯のレースだったと思います。
ニホンピロアワーズは、スタートが少しよくなかったこともありましたが、外からサトノプリンシパルが行ったときに、そのうしろについて2番手に行ってもよかったように思います。ペースが遅かったので、積極的に行って早めに先頭に立って粘り込むようなレースをしたほうが、この馬の持ち味を発揮できると思います。
ローマンレジェンドはゲート内で暴れていました。一旦うしろから出されて、あらためてのゲートインになりました。馬体が減っていて少し細く見えましたこともありましたが、ゲート内のアクシデントで、馬が走る気をなくしてしまったのかもしれません。
佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。
- 第70回 2014年4月4日
エンプレス杯~名古屋大賞典 - 第69回 2014年3月5日
佐賀記念 - 第68回 2014年2月5日
TCK女王盃~川崎記念 - 第67回 2014年1月6日
クイーン賞~東京大賞典 - 第66回 2013年12月5日
JBCレディスクラシック~兵庫ジュニアグランプリ - 第65回 2013年11月5日
東京盃~マイルチャンピオンシップ南部杯 - 番外編 2013年10月22日
SJT総括 - 第64回 2013年10月4日
オーバルスプリント~日本テレビ盃 - 第63回 2013年9月5日
サマーチャンピオン~ブリーダーズゴールドカップ - 第62回 2013年8月5日
スパーキングレディーカップ~マーキュリーカップ - 第61回 2013年7月5日
関東オークス~帝王賞 - 第60回 2013年6月5日
兵庫チャンピオンシップ~さきたま杯 - 第59回 2013年5月7日
マリーンカップ~かきつばた記念 - 第58回 2013年4月5日
ダイオライト記念~名古屋大賞典