浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名馬の活躍を振り返ります!

関東オークス~帝王賞(第61回)

関東オークスJpnⅡ

 アムールポエジーは、スタート後、押して単独の2番手を取りました。逃げたデイジーギャルは少し飛ばし過ぎだったので、実際にはアムールポエジーがハナを切っているのと同じです。3コーナー手前でデイジーギャルが一杯になると、自然と先頭に立ちました。直線では後続を突き放して、楽に5馬身差をつけました。まだまだ強くなりそうで、牝馬同士なら、かなりのところまでいくのではないでしょうか。
 オメガインベガスは、スタート後のダッシュはよかったですが、アムールポエジーを先に行かせて3番手からでした。3コーナーあたりでは差を詰めましたが、直線ではまた離されてしまいました。それでも3着のモンシュシュには4馬身差をつけていますから、今回は勝った馬が強かったということでしょう。

北海道スプリントカップJpnⅢ

 セレスハントは1番枠からのスタートで、スタート後は好位につけていましたが、前が速いと見ると、先行した6頭ほどの集団のうしろまで一旦下げて、3コーナーあたりから外に持ち出しました。福永騎手の好判断で、これが勝因でしょう。それにしてもゴール前で一気に交わしていった伸びはすばらしかったです。福永騎手は落ち着いて乗っていたと思います。
 マルカバッケンは、絶好の手ごたえで直線を向いて先頭に立ちかけて、そのまま抜けるかと思いましたが、最後は案外伸びませんでした。
 地元のアウヤンテプイは惜しい4着でした。先行集団を追走して、最後まで離されることはありませんでした。地方同士ならタイトルが獲れるのではないでしょうか。
 サマーウインドは昨年と同じように直線でも先頭。それでも息が持ちませんでした。JBCスプリント(2010年)を勝ったときなどは強いレースをしていましたが、当時の力を望むのは難しいかもしれません。

帝王賞JpnⅠ

 ホッコータルマエは、6番手あたりの追走でしたが、早めに位置取りを上げていって、3コーナーあたりでは前をとらえる位置まで進出して、絶好の手ごたえで直線を向きました。今年になってからの5連勝で、かなり力をつけてきた印象です。
 ニホンピロアワーズは、ワンダーアキュートを直後でマークして、直線ではいい伸びを見せましたが、今回は勝った馬のほうが強かったということでしょう。
 ワンダーアキュートは、ハナに行ければ行っても、という指示だったのではないでしょうか。ゴール前で2頭に抜かれましたが、休み明けの分もあったかもしれません。
 テスタマッタは、スタート後の直線から向正面まで掛かりっぱなしでした。前走が1400メートル戦だったので余計にそうなったのかもしれません。それでも、それほどは離されずに5着に入っていますから、スムーズにレースができればまだまだいい勝負をすると思います。
 中央勢は、4着のハタノヴァンクール以下はちょっと差がつきましたが、馬場が良ければもう少し差は詰まっていたかもしれません。
 ローマンレジェンドは、好位の内を追走しましたが、直線は伸びませんでした。向正面から少しずつですが追いどおしで、追走に一杯でした。調子も前走のかしわ記念からはそれほど上がってなかったのかもしれません。ここを叩いて、次あたりが狙いになるかもしれません。

佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。