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番外編 SJT総括
写真:いちかんぽ、NAR
●船橋 第1戦シルバーサドル賞
赤岡騎手のリッキーワンスモアが、少し無理やりという感じで逃げました。1000メートルであの枠(7枠11番)からだとハナをとるのは大変ですが、3コーナーの手前で完全に行ききりました。それにしても1000メートルで、2着と7馬身も差がつきました。思い切って行ったのがこの馬にはよかったと思います。今までは目立ったところのなかった馬ですが、父がサウスヴィグラスで、1000メートル戦で、馬のいいところを引き出したのかもしれません。5番手あたりに控えていた川原騎手のサナオリアが最後に伸びてきて2着に入りました。川原騎手は追ってからでも姿勢が崩れなくて、騎乗フォームが綺麗です。川原騎手はひとつも勝てずに優勝しますが、結果的にこの2着は大きかったですね。
●船橋 第2戦シルバーブライドル賞
御神本騎手のイチゲンパワーは、マイペースに持ち込んでうまく逃げ切りました。馬に乗ったことはなくてもある程度見ていたでしょうから、さすがに地元の利もあったと思います。エリモブリーズの桑村騎手は、大外からのスタートで、仕掛けていって積極的にいい位置をとりに行きました。3コーナーあたりでラチ沿いに入れて、そのあたりの判断もよかったです。最後は前には届きませんでしたが、よく伸びて2着に食い込んだと思います。
連勝中で人気になった青柳騎手のハッピーウェーブは、3~4コーナーでは外からいい感じで上がってきましたが、4コーナーを回るときに外に膨れてしまいました。コーナーがきつい川崎のようなコースならある程度は仕方ないのですが、船橋は3~4コーナーが緩やかですから、あそこでぴったりと回ってこられるとよかったと思います。ただ直線でも外に行きたがっていますから、馬にそういう癖もあったのかもしれません。
●園田 第3戦シルバーブーツ賞
的場騎手が逃げて、山口騎手が追って、前は少し速くなりました。4コーナーでこの2人の手ごたえが悪くなったところ、ほとんどの馬がその外々を回していったところ、ガラッと開いた内を突いたのが、尾島騎手のファインクルーズでした。直線が長いコースであれば内でじっと我慢していて抜け出すということもできますが、直線が短いコースだと内に包まれたくないですから、それでほとんどの馬が外を回すことになったのでしょう。尾島騎手は人気がなかっただけに、気楽に乗っていたのかもしれません。後方2番手の追走でしたから、内に行くしかなかったのかもしれません。あそこから大外を回したのでは相当なロスになります。それで4コーナーで内が完全に開いたのはラッキーでした。一番いい騎乗をしたのは、2着メイショウユキハナの桑村騎手です。飛ばして行った3頭の後ろでじっと構えて、位置取り的には一番いいところです。4コーナーでは勢いがなくなった前3頭のすぐ外を通っていい伸びを見せ、直線では一旦先頭に立っています。桑村騎手にとっては、尾島騎手に内を突かれたことが不運でした。最後のアタマ差は、最内を通ってこられては仕方ありません。桑村騎手はここを勝っていれば総合優勝だっただけに、残念でした。
3着に入った大畑騎手のグッドスミスが一番いい脚を使って伸びてきましたが、4コーナー最後方で、直線でも大外に持ち出すしかありませんでしたから、そのぶんの3着でした。
●園田 第4戦シルバーホイップ賞
このレースは対照的にペースが落ち着きました。1番人気、吉原騎手のチャンピオンホークがすんなり先頭。マイペースに持ち込んで実力通り、逃げ切りました。2、3番手を追走した御神本騎手のロブストニケ、桑村騎手のアラディンも直線伸びていましたが、前が止まりませんでした。前3頭は行ったままの結果ですから、人気馬にマイペースで逃げられては、他の馬はどうにもなりませんでした。
佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。
- 第70回 2014年4月4日
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