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マリーンカップ~かきつばた記念(第59回)

マリーンカップJpnⅢ

 メーデイアは前走のTCK女王盃も楽勝でしたが、今回も強いレースをしました。センゲンコスモがレースを引っ張って、前は少しペースが速くなりました。好スタートから3番手を追走して、4コーナーではハナに立ってしまいました。直線まで追い出しを我慢すれば、もっと強いレースをしたかもしれません。大事に使っていけば、まだまだ強くなると思います。引退したミラクルレジェンドと同じくらい強くなるのではないでしょうか。
 レッドクラウディアは、直線で一旦はメーデイアの直後まで迫りましたが、最後は離されてしまいました。もしかして道悪が影響したのかもしれません。今回はメーデイアに3馬身差をつけられましたが、まだ逆転の可能性はあります。
 スティールパスは、中央4頭の中ではいちばんうしろ、中団からの追走でしたが、直線では前の2頭に迫りました。2着はあるかという勢いでしたが、最後に離されてしまいました。展開次第では今後チャンスもあるでしょう。この中央の3頭は、今後の牝馬ダート戦線でも中心的な存在になりそうです。
 マニエリスムは中央の人気馬を前に見る位置を追走して、直線では内から伸びてきました。道中で我慢していたぶん、最後の伸びにつながったと思います。

東京スプリントJpnⅢ

 ラブミーチャンは外枠からダッシュよく飛び出しましたが、内の行く馬を見ながら4~5番手に控えての追走でした。これがまずひとつ勝因でした。道中は気持ちよく走っている感じでした。絶好の手ごたえで3~4コーナーを回ってきて、残り200メートルまで追い出しを我慢していました。そして仕掛けたら、一瞬のうちに抜け出しました。これまでのダートグレードでは最高のレースをしたのではないでしょうか。道中はじっと我慢して、残り200メートルからの一瞬の脚を引き出した、戸崎騎手の好騎乗もありました。
 セイクリムズンはラブミーチャンのうしろのいい位置を追走していました。ゴール前では迫ってきましたが、半馬身届きませんでした。最後にしっかり伸びてきていますから、決して岩田騎手が下手な騎乗をしたわけではありません。今回は、ラブミーチャンの戸崎騎手にうまく乗られた結果です。

かきつばた記念JpnⅢ

 好スタートを切ったティアップワイルドは、鞍上の石橋騎手が行く気を見せましたが、外からサイモンロードが譲らない構えで来たので、無理せず2番手に控えました。それでも離されずに、スムーズについて行けたのが勝因でしょう。兵庫ゴールドトロフィーのときは逃げ切りでしたが、マイペースで先行できると強いレースをします。
 ダノンカモンは、ゴール寸前でよくサイモンロードをとらえました。追走に少し苦労しましたが、名古屋の短い直線でも、さすがに終いの切れる脚があります。
 外枠から逃げたサイモンロードは、うしろの中央勢が追ってきているのとは対照的に、3~4コーナーあたりでも楽な手ごたえのままでした。このまま逃げ切るのではという勢いでした。ただ最後の50メートルくらいで止まってしまいました。それでも速い時計の決着ですから、よく粘ったと思います。

佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。