浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名馬の活躍を振り返ります!

ダイオライト記念~名古屋大賞典(第58回)

ダイオライト記念JpnⅡ

 トーセンアドミラルが逃げるのかと思っていたら、逃げたのはオースミイチバンでした。思い切ってハナに立って、いいペースで逃げられたことが勝因でしょう。残り1000メートル過ぎからペースを上げていきました。後続に脚を使わせて、この馬自身は最後まで脚が止まりませんでした。人気薄ということもありましたが、逃げ馬としてはいいペースで、川島騎手は好騎乗でした。
 ハタノヴァンクールは5番手の外目、いい位置を追走していました。3~4コーナーでまくっていったときは、そのまま先頭に立つかと思いましたが、まくりきれませんでした。直線でもじわじわと伸びて、つかまえられるかと思いましたが、クビ差届きませんでした。四位騎手はおそらく交わせるだろうと思って乗っていたと思います。今回は勝ち馬にうまく逃げられました。次回、対戦があれば、同じようには負けないでしょう。

黒船賞JpnⅢ

 やっぱりセイクリムズンは強かったですね。位置取りは中団からでしたが、4コーナーでサマーウインドとコスモワッチミーの間が1頭分空いたところをうまく突きました。一瞬の判断でした。あそこで外に持ち出していたら、おそらく勝てなかったでしょう。高知は、普段は内の砂が深くなっていますが、不良馬場で締まっていたこともあったでしょう。
 ダイショウジェットは10歳です。4コーナーでは大外を回しましたが、高知のコースでは外を回るのは仕方ないと思います。最後はよく迫ってきました。ペースが速くなってダイショウジェットには絶好の展開でしたが、今回はセイクリムズンの岩田騎手の騎乗を褒めるべきでしょう。
 コスモワッチミーは、ハイペースの好位についていって、よく4着に粘ったと思います。今後も活躍が楽しみです。
 ラブミーチャンは直線を向いて先頭に立ちかけましたが、そこで止まってしまいました。今回は1400メートルという距離もあったと思いますが、厳しい競馬になりました。

名古屋大賞典JpnⅢ

 ホッコータルマエの幸騎手は、スタート後、ジャングルスマイルを押し出すようにして外に持ちだしていきました。おそらく内に包まれたくなかったのでしょう。跳びの大きい馬は狭いところに入ってしまうのはよくないです。エーシンモアオバーに逃げ切られないように、早めに好位につけたかったということもあったと思います。まだ4歳ですから、ハタノヴァンクールとともに、帝王賞あたりでどんなレースをするか、楽しみです。
 エーシンモアオバーも2番手を追走して力を出し切っています。4コーナーからはホッコータルマエと一騎打ちで競り負けてしまいましたが、このメンバーでは2頭の力が抜けていました。
 ランフォルセは、道中はいい感じで走っていますが、最後は離されてしまいました。去年のダイオライト記念を勝ったときは強いレースをしましたが、最近はいいところがありませんね。

佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。