第8回 2009年3月17日 ウォーターダグ |
高知生え抜きとして、158戦を走り抜いたウォーターダグ。約10年の歳月で重賞タイトル8勝、01年黒船賞では中央他地区からの強豪を相手に僅差の4着に奮闘するなど一線級で走り続けました。晩年は下級クラスでの走りが続きましたが、その存在感は絶大で、高知が生んだ宝馬の1頭でした。
08年5月のレースを最後に引退し、今は高知県南国市にある南国ホースパークで余生を送っています。「高知競馬場の獣医さんに、おとなしい馬が引退する時に声をかけて下さいと頼んでいたんです」と代表の伊尾木舜祐さん。引退後間もなく一員になりました。
「最初の2週間くらいは飼い葉を食べてくれなくて大変でした。切り草もヘイキューブも全く・・・。クローバーが好きだと聞いたので、いろんな所へ探しに行って刈ってきたら食べてくれました。それから突然食べ始めましたね。馬も何か考えることがあったのか・・・。今では食欲旺盛で、好物はニンジンとリンゴです」。
当初は両前脚の蹄の不安でかなり疲れていたそうですが、伊尾木さんたちの懸命な治療により良化中。「前はフラフラしていましたが、今は正常に戻ってきています。いずれはお客さんを乗せて記念撮影くらいはできるようになればいいなぁと思っています」。
午前4時、午前11時、午後5時と一日3回の食事タイム。放牧は、蹄に負担がかからないように、地面が乾いている時だけ行っているそうです。あとは馬房でのんびり過ごす日々。お客さんが来たら、ちゃんと愛想を振りまくというのも、今のダグの大事なお仕事です。「競馬場にいた頃はもっと気が強いって聞きましたが、本当におとなしいですよ。6歳の孫が引っ張っても、その後ろをついて歩くくらいですから(笑)」。
すでに14歳になりましたが、現役生活から離れたとは言っても、精かんな顔つきは目を引くものがありました。「でも、来た頃に比べると目がとても優しくなりましたよ」。
隣の馬房には、ハルウララの弟としても知られるオノゾミドオリが入っています。オノゾミドオリはかなり気が強いので、力関係ではダグが負けちゃうんだとか。ダグ、年下に負けるな!(笑)
熱烈なファンの方や競馬場にいた頃の関係者が、今でもダクに会いに来るそうです。たくさんの愛情を注がれつつ、高知が生んだ宝馬ウォーターダグは穏やかな日々を送り始めています。
なお、今回ご紹介したウォーターダグとオノゾミドオリは、サポーターさんを募集しています。詳しいことは南国ホースパークのホームページ(http://nankoku-horsepark.ftw.jp/)でご確認下さいね。
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