彩の国浦和記念JpnII〜東京大賞典JpnI (第8回) |
彩の国浦和記念JpnII
スマートファルコンはスタートダッシュがいいですね。ペースがそれほど遅かったわけでもなく、平均ペースだったにもかかわらず、今回も道中は行きたがっていたようです。向正面からようやく折り合いて、直線は楽でした。まだ3歳(明け4歳)ですが、だいぶ力をつけてきました。
アンパサンドは休み明けだったこともあって、うしろから大事に乗っていたのでしょう。スマートファルコンやキングスゾーンなど、前に行く馬が揃っていたから意識的に下げたのかもしれません。一時期よりだいぶよくなってきたようですね。本来ならこれくらい走ってもおかしくない馬です。
クレイアートビュンは、わりと早めに行ったわりには最後までよく粘りました。前に行って残ったのはこの馬だけでした。
フィールドルージュは、横山騎手がうまく乗っていましたが、向正面から手ごたえがよくない感じで案外の結果でした。さすがに最後は差を詰めていますが、体調が完全には戻っていないのかもしれません。
兵庫ジュニアグランプリJpnII
スーニは、このメンバーでは力が違います。道中は無理せず楽に追走していました。3〜4コーナーで先頭に立って、もうそのあたりで完全に勝ったようなレースでした。4コーナーでは外に振られましたが、あのあたりは大事に乗っていたのかもしれません。とにかく強いレースをしました。
アースリヴィングは、1コーナーで外に膨らんだのは残念でしたが、スーニにはよく食らいついていったと思います。
クイーン賞JpnIII
ヤマトマリオンは牝馬同士だと強いレースをしますね。外枠だったのもこの馬にはよかったようです。終始ユキチャンをマークするような形でレースができました。このあと名古屋グランプリも使っているだけに、丈夫な馬ですね。
ユキチャンは、今回はかなり安藤勝己騎手が抑えていたようですが、手綱を馬にくれてやって、前に行かせたほうがよかったかもしれません。抑えたからといって、そのぶん直線で伸びるタイプではないので、関東オークスのときのように早めに行かせてしまったほうが力を発揮すると思います。とにかく、2頭とも強いレースをしました。
全日本2歳優駿JpnI
今回は馬場が悪かったこともあって、スーニが外枠に入ったのを見て勝ったと思いました。兵庫ジュニアグランプリのときよりも、さらに馬がよくなっているように見えました。
ナサニエルは今回はよく走りました。この道悪でも、3〜4コーナーで一気にまくってきました。4コーナーではかなり外を回って2着来ましたから、この馬は強くなりますよ。中央に行って、芝ではどうでしょう。ダートのほうが走るような気はします。
ナイキハイグレードは3着でしたが、勝った馬が強過ぎただけで、将来性はあると思います。お母さんのダイヤモンドコアには、現役の最後のほうに何度か乗ったのですが、お母さんも道悪はよく走りました。
名古屋グランンプリJpnII
ワンダースピードは、ヤマトマリオンのうしろ、3番手のいい位置でレースを進めて、3コーナー手前でうまく外に持ち出しました。直線でもよく伸びています。今回は、この馬がもっとも力を発揮できる展開になったのではないでしょうか。
メイショウトウコンもよく走りましたが、うしろから行く馬なので、前で何頭かが競り合うような展開になればチャンスがあります。
ヤマトマリオンは、ここでもダッシュよく前に行きました。このくらいダッシュがいいと乗り役も楽です。今回は4着でしたが、大事に使えば、さらに強くなると思います。
兵庫ゴールドトロフィーJpnIII
スマートファルコンはスタートで躓いてしまいました。遅れたのは仕方ないと、岩田騎手は落ち着いて乗っていました。ただ、テンの先行争いが速くなったので、むしろ出遅れたのがよかったのかもしれません。直線では余裕がありましたから、この馬はほんとうに強くなっています。
アルドラゴンは、速い流れに巻き込まれず、中団のいい位置につけられたと思います。直線は届かないかと思いましたが、よく伸びました。
リミットレスビッドは最後に差されて3着でしたが、9歳で、59キロで、よく走っています。
東京大賞典JpnI
カネヒキリは長い休養があって、これだけ走るんですから、ほんとうに偉い馬です。大事に使われていますよね。今回は外枠でしたが、ロスのない競馬をしました。4コーナーで、内を回ったか外を回ったかのわずかな差が、最終的にヴァーミリアンとの差になったのではないでしょうか。
ヴァーミリアンは内枠だったので、逃げたブルーホークのすぐうしろに付いて行けばよかったと思いますが、一旦下げて外に出しました。内に包まれるよりはと思って外に出したのかもしれませんが、向正面で行こうと思ったところで外に馬がいて、外に出すまでに手間取ってしまいました。このレースなら、最初から外枠だったらもしかして勝っていたかもしれません。ただ大井では4コーナーで必ず内が開きますから、逃げ馬のうしろの内でじっとしているのがよかったように思います。
サクセスブロッケンは、もう少しいい勝負をするかと思いましたが、この2頭が相手だと、やはり力不足なのでしょう。
フリオーソはダッシュがつかず、うしろからになりました。自分のペースで行ければ強いレースをしますが、今回は2頭が強過ぎました。
構成:斎藤修(サイツ)
佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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