第5回 2008年10月30日 マリンレオ |
「頭がとても良かったですね。普段からいらんことはしないし、レースでも勝てばいいって感じで、そんなに離して勝つことはありませんでした」と愛馬の強さを振り返る愛知の戸澤肇調教師。
〜レースを知っていた馬〜
99年から03年にかけアラブ界を席巻し、サラブレットとも果敢に戦ったマリンレオ。華やかな競走生活の陰には球節炎や裂蹄などに苦しむ姿もあったそうです。競馬の世界で「我慢をする」というのは本当に大変なことですが、「馬主さん(玉木國大オーナー)の理解が大きかったです」(戸澤調教師)。無理はさせずに大事に育てられ、NARグランプリ02アラ系4歳以上最優秀馬&NARグランプリ03アラブ最優秀馬に輝き、アラブ最後の怪物とまで称されました。
引退時には種牡馬入りと発表されましたが、アラブの繁殖数が少なくなったことから、その道を断念。今は生まれ故郷の川端正博さんの牧場(広一さんが昨年他界されたので、息子の正博さんが継いでいます)で、オーナー所有のまま功労馬として過ごしています。
「歩様は柔らかいなぁと思っていましたが、まさかこんなに活躍するとは・・・気は小さかったけど、丈夫で手の掛らない馬ではありましたが」と川端さん。故郷に久しぶりに帰った時はキツイ面を見せていたそうですが、今は借りてきた猫のようにおとなしいそうです。
現在のレオは、「子守り」がお仕事。1歳の芦毛君(ビンゴガーネット2007)の運動量を豊富にするため、一緒に放牧地へ放されています。面倒見がいいようで、芦毛君も安心しているそう。っていうか、怪物レオ様とデビュー前から併せ馬をしている芦毛君。今後の動向にも目が離せませんね。ちなみに、この写真では涼しい顔をしているレオですが、実際は芦毛君に負けないくらいちょっかいをかけていて、ほんと微笑ましかったです。
「主人のお葬式の時に、日本一のマリンレオを生産したと挨拶して頂けて、胸がいっぱいになりました」と川端さんの母キヨ子さんはしみじみ話していましたが、川端ご一家の宝馬として大切に育てられているレオ。そして、今でもオーナーをはじめ名古屋からのファンが、はるばる会いに来るそうです。
これも、マリンレオが切り開いた『強さ』でしょうか。
|
|
|