TCK女王盃JpnIII〜佐賀記念JpnIII (第9回) |
TCK女王盃JpnIII
ヤマトマリオンは、スタートで出遅れました。それでも、前で何頭かが競り合って早めに行ってくれたので、無理せずに外に出すことができました。ハナにも行けるし、うしろからでもだいじょうぶだし、どんな展開にも対応できるのが強みです。大井コースは直線が長いですから、3コーナーを回ってから仕掛けて行くのが普通ですが、向正面中間から早めに仕掛けて行きました。それでも余裕を持って差し切れるのですから、相当力があると思います。
ユキチャンもスタートはあまりよくありませんでした。無理せず向正面で早めに先頭に立ったときは勝ったかなと思いましたが……。結果的にヤマトマリオンに差されてしまいましたが、ユキチャンの場合は、関東オークスを勝ったときもそうだったように、馬にさからわず、今回のようにハナに行かせてしまう競馬のほうがいいですね。差されても、それでばったり止まる馬ではないですから、あまり離されることはありませんでした。
パノラマビューティもスタートではタイミングが合わず、ヤマトマリオンよりさらにうしろからになりました。ただ、シスターエレキングとチヨノドラゴンが競り合って速めの流れになったことは、この馬に味方しました。ゴール前はよく伸びてきたと思います。
チヨノドラゴンは、シスターエレキングと競り合ったわりには、よく5着に粘りました。
川崎記念JpnI
カネヒキリは、フリオーソが行ったのを見てすぐに2番手につけました。このあたりがルメール騎手のうまいところです。今回はフリオーソが相手と見たのでしょう、ぴったりマークしていきました。ゴールではフリオーソと半馬身差でしたが、手ごたえが違っていました。着差はわずかでしたが、完勝と言っていいレース内容です。
フリオーソは、今回はスタートを決めました。最後はカネヒキリには及びませんでしたが、マイペースに持ち込んで完璧なレースができました。それで負けたのでは仕方ないと思います。カネヒキリのほうが力は一枚上ということでしょう。
サクセスブロッケンは、スタートで出負けした感じで、フリオーソに先に行かれてしまいました。1周目のゴール前ではまわりを囲まれてしまい、外に出すことができずに掛かってしまいました。2周目の向正面でペースが上がるまでずっと掛かりっぱなしで厳しい競馬になりました。むしろこれでよく3着に残ったと思います。ただ今回、砂をかぶる競馬をしたことは、今後につながるでしょう。出遅れずに前に行ければこの馬が2着だったかもしれません。
佐賀記念JpnIII
スマートファルコンは、どんな条件でも強いレースをしますね。道中、馬が行きたがるのを岩田騎手はずっと抑えていました。それでも、このメンバーではやはり力が抜けていました。帝王賞あたりに出てくれば、今年はいい勝負をするのではないでしょうか。
スマートファルコンには離されましたが、ロールオブザダイスも、クリーンも、中央からは次から次へと強い馬が出てきますね。この2頭も、将来の活躍が楽しみです。
構成:斎藤修(サイツ)
佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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