さきたま杯〜帝王賞 (第3回) |
さきたま杯JpnIII
キングスゾーンとプライドキムが前で競り合って、そのうしろをメイショウバトラー、リミットレスビッド、アグネスジェダイと中央の3頭が追走する形になりました。リミットレスビッドはスタートもよく、キングスゾーンが行くことはわかっていますから、すぐに抑えて絶好の位置につけました。今回も58キロですが、ダッシュ力のある馬は楽にレースができますね。ラチ沿いをぴったり回って、4コーナーでうまく外に出しました。岩田騎手の好騎乗だったと思います。
外枠だったメイショウバトラーは、3コーナー手前でもう少し我慢したかったようですが、外からフジノウェーブが来たのであそこで行かざるをえなかったのでしょう。勝ってもおかしくないレースぶりでしたが、今回はとにかくリミットレスビッドに展開が向きました。
1番人気のコンゴウリキシオーは、つまづいたような感じで出遅れたのが残念でした。
関東オークスJpnII
ユキチャンは外枠に入ったのもよかったですね。スタートはあまりよくありませんでしたが、そのあとスッと好位置につけることができました。ペースが遅くなればスタンド前で行くだろうと見ていましたが、そのとおりのレースになりました。1周目の4コーナーからスタンド前は抑えきれないような手ごたえでしたから、あそこで行かせるしかなかったと思います。向正面で物見をしていたのは、初めてハナに立ったので馬が遊んでいたのでしょう。3コーナーあたりでは後続が懸命に追っていましたが、ユキチャンだけは手ごたえが楽でした。跳びが大きい馬なので、芝の軽い馬場でもいいと思いますが、やはりダートのほうが力を発揮するでしょう。牝馬同士では力が違いましたね。ジャパンダートダービーでは牡馬を相手にどんなレースをするか楽しみです。
プロヴィナージュはスタートでつまづいたようです。3コーナーでは他の馬がユキチャンを追いかけるのに苦労する中、この馬だけがいい手ごたえで上がって行きました。最後は伸びているだけに、スタートでうまく出ていればもう少し勝負になったかもしれません。この馬も牝馬同士のレースなら今後も期待できそうです。
北海道スプリントカップJpnIII
ジョイフルハートは7歳でも強いレースでした。父がサクラバクシンオーですからね。先頭に立って、直線では楽に突き放しました。
ダイワメンフィスは、内の好位を楽に追走して、最後は勝ち馬との差を詰めていました。さすがに中央でレースをしていただけに、速いペースでも対応できたのだと思います。
ラブストレングスは、ダッシュ力がありますね。内枠だったらもっと前に行けたかもしれません。これからが楽しみな馬です。
帝王賞JpnI
フリオーソは、今まではちょっと太めに見せる馬でしたが、今回はスッキリと仕上げてきました。スタートのダッシュもよかったし、単独でマイペースで楽に先行できました。競りかけてくる馬がいなかったので、この馬の理想的な展開になりました。
ボンネビルレコードもよく走りました。フリオーソに競りかけていくような馬があれば、この馬にもチャンスがあったと思いますが、今回はフリオーソに楽に逃げられる展開だったので、しかたないでしょう。最後はよく伸びています。
コウエイノホシは、一線級との対戦が初めてで、しかも今回は57キロを背負ってよく走ったと思います。
マルヨフェニックスは、大井で重賞(黒潮盃)も勝ったことがあるし、やはり力はありますね。大井でも地方同士の重賞に出られるような機会があれば、また勝てるチャンスはあるのではないでしょうか。エイシンサンディもいい仔をたくさん出しますね。
構成:斎藤修(サイツ)
佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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