第1回 2008年4月25日 キングセイバー |
季刊誌ハロンの時は、「新・気になるあの馬は…」と題して、懐かしいお馬さんや転厩したお馬さんの気になる近況をお伝えしてきました。ウェブハロンでは「続・気になるあの馬は…」とちょこっとタイトルをリニューアルして、引き続きお伝えしていきますのでよろしくお願いします。
「私にとって宝物だよ。小さい頃から馬っぷりも優れていて、クラシックをとれる!って期待していたから。ダービーを勝たせてもらって本当に感謝している」と川崎の八木仁調教師。管理馬キングセイバーは、02年の東京ダービーを制しました。
そんなキングセイバーは2年ほど前に脚元の不安で現役を退き、今現在は千葉県八街市にある木曽敏彦オーナーの乗馬クラブNSGライディングディビジョンで、第二の馬生を送っています。木曽オーナーは馬場馬術の選手として国際的にも活躍していますが、その競技馬の卵として歩み始めました。
馬場馬術というのは、「馬とダンスを踊る」(木曽オーナー)と表現するくらい、人馬一体になって、正確に優雅な演技を競い合うもの。競走馬から競技馬としての転用はよくあるそうですが、競馬と馬場馬術競技では目的自体が180度違うと言っても過言ではありません。まずは精神の切り替え部分からスタートして、大会に出場するためには2、3年かけてじっくりと教え込んでいくそうです。
「もう脚元は完治していますよ。去年の10月頃から競走馬としての精神を抜くために、屋内馬場で軽く乗り続けてきました。今は落ち着かせながら大きい速足を教えているところです」と木曽オーナー。歩様が良く、根性もあって頭もいい…。競技馬としても非常に適しているそうです。
久しぶりに会ったキングセイバーは相変わらず男前。現役時代は、黒光りした青鹿毛がナイターによく映え、無駄肉がつかない研ぎ澄まされた馬体は目を引くものがありました。今は馬場馬術用に体を作り変えているところなので、腹回りもガッチリしています。
すでに、今年9歳になりました。「馬術ではこれからです。どこまでやれるんだろうって楽しみでもあるんですよ。大切に大成させて、ゆくゆくは全日本級に育て上げたいと思っています」(木曽オーナー)。1、2年後を目標に、馬場馬術の世界へデビューさせたいそうです。
東京ダービー馬が優雅にダンスを踊るという、これまで体感したことのないそんな夢のような姿が、数年後には現実のものになるんですねぇ。
「キング、今度はその世界で1番を目指してね!」
|
|
|