ブリーダーズゴールドカップ〜クラスターカップ (第5回) |
ブリーダーズゴールドカップJpnII
メイショウトウコンの藤田伸二騎手はうまく乗ったと思います。スタートでうしろからになっても、焦らず落ちついていました。1番枠でしたが、うまく外に持ち出して、いつでも仕掛けられるようなところを追走していました。向正面から徐々に位置どりを上げていって、4コーナーでサカラートに並びかけるときには勢いがありました。うしろからサカラートを目標に乗れたのもよかったのではないでしょうか。
サカラートはメイショウトウコンが来たら追い出すつもりでいたのでしょう。直線がそれほど長くないので、メイショウトウコンが来る前、3〜4コーナーあたりで早めに追い出して、差をつけてしまったほうがよかったように思います。好位を楽に追走して、手ごたえがいいように見えたのですが、最後に交わされてしまいました。藤岡佑介騎手もうまく乗りましたが、今回はメイショウトウコンの展開になったということでしょう。
カオリノーブルはスローペースに落としていい感じで先行していたし、ヤマトマリオンもいい位置を追走していましたが、前の2頭とは力の差がありました。
サマーチャンピオンJpnIII
ヴァンクルタテヤマは、ダッシュ力があってスタートでレースが決まった感じでした。先頭に立った時点で手ごたえが違いましたから、うしろの馬も無理には競りかけてこなかったんだと思います。このメンバーでは力が抜けていました。
ダンツキッスイも3番手をいい感じで追走していましたが、最後に離されたのは力の差でしょう。
キングスゾーンは丈夫な馬ですね。ほんとうに偉い馬です。ヴァンクルタテヤマと枠順が逆だったら、この馬が逃げていたかもしれません。ただ今回はヴァンクルタテヤマが強過ぎました。
今回は水が浮くような馬場でしたから、やはり前に行ったほうが圧倒的に有利です。結局は前の3頭で決まりました。
イイデケンシンは前に行って持ち味を発揮する馬なので、今回は行けなかった時点できびしい感じでした。前走の新潟のレース(関越ステークス)では2着に入りましたが、やはりそのときは逃げていました。逃げ馬が前に行けないと、こういうふうにまったくレースにならないことはよくあります。ドバイのあと、ジャパンダートダービー(7月9日)から新潟(7月27日)を使って今回(8月15日)ですから、使い詰めだったことも影響したのかもしれません。
クラスターカップJpnIII
プライドキムは今回人気がありませんでしたが(8番人気)、全日本2歳優駿を勝っているようにもともとは力のある馬です。報知グランプリカップ(2月6日)では、結局は降着になりましたが、あのときも強いレースをしていました。今回は調子がよかったのではないでしょうか。それにしても川島正太郎騎手、よかったですね。3番手のいい位置につけて、うまく乗りました。この馬はダッシュ力もあります。小回りコースの短距離戦では、前に行ける馬のほうが圧倒的に有利です。先行力もあるし、この馬は小回りコースも得意なのでしょう。
メイショウバトラーは今回は残念な結果(7着)でした。1番枠で、最初の直線でもう少し仕掛けていけばいいように思ったのですが、下げて控える形になりました。他馬に包まれない位置で、好位につけると強いレースをするのですが。
構成:斎藤修(サイツ)
佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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