ダイオライト記念〜名古屋大賞典(第46回)

ダイオライト記念 JpnU

 ランフォルセは、スタートはよくありませんでしたが、1周目の直線でフリオーソの直後、2番手につけました。前3頭が後続を離す展開で、前は厳しいペースだったと思います。上り3ハロンが40秒以上もかかる展開で、それでも粘ったランフォルセは強かったです。川崎記念でもフリオーソを交わして2着でしたから、同じようにマークしていたんだと思います。
 ピイラニハイウェイとトーセンルーチェは直線を向くまで前3頭とはまだ離れた位置でしたが、最後はよく追い込んできました。それだけ前のペースが早く、3頭がゴール前でバテていたんだと思います。
 ワンダーアキュートは強い相手といい勝負をしても、なかなか勝てないですね。スタート後は2番手で、ランフォルセが来たら控えて3番手でしたが、あのまま2番手にいったほうがよかったかもしれません。
 フリオーソは、他馬が枠入り後に待たされているところ、最後の枠入りだったこともあって、いいスタートをきりました。しかしランフォルセに終始うしろからつつかれる展開で、スタンド前でもペースがほとんど落ちることなく、厳しい展開になりました。スタートでも楽にハナに立ったように見えましたが、外枠からハナに立つには内の馬を見ながら仕掛けていって、それなりに脚を使っていたこともあったと思います。最後は完全にバテてしまいましたが、それでも中央の強豪を相手によく走っていると思います。



黒船賞 JpnV

 セイクリムズンはつまずいたようなスタートで、ケイアイライジン、トウショウカズンらに競りかけられましたが、ハナを譲りませんでした。9番枠でしたが、競りかけてきた2頭はさらに外だったので、枠順にも恵まれました。勝因は、思い切って行って、ハナを譲らなかったことでしょう。
 トウショウカズンは、セイクリムズンとほぼ並走という形で追走し、最後まで交わすことはできませんでしたが、それでもよく粘ったと思います。セイクリムズンと枠順が逆だったら、もしかして勝っていたかもしれません。
 ダイショウジェットは最後によく追い込んできました。昨年のオーバルスプリントもそうでしたが、最後に切れる脚を使います。
 スーニは、59キロは背負い慣れているとはいえ、今回は厳しいレースになりました。斤量を背負ってダッシュがつかなかったぶん、他馬に前をカットされ、さらに挟まれるような格好になって行き場をなくし、引っかかってしまいました。今回はロスの多い競馬で、道中でかなり脚を使ってしまったのが敗因でしょう。この馬は外枠から砂をかぶらずに行けたときのほうがいい競馬をします。



名古屋大賞典 JpnV

 ニホンピロアワーズは、逃げたエーシンジーラインの2番手で、終始楽な手ごたえでした。折り合いがつく馬なので、やはり長距離で力を発揮します。最後までほとんど追うところなく突き放して楽勝でした。このメンバーでは力が抜けていました。まだ5歳ですし、これからまだまだよくなるのではないでしょうか。
 ダイシンオレンジが6馬身差の2着でしたが、エーシンジーラインとボレアスが最後にバテてしまい、それに助けられての2着でした。
 エーシンジーラインは、スタートでつまずいて、よく立て直しました。3〜4コーナーで後退してしまったのは、ハナに立つまで最初に脚を使ったぶんかもしれません。
 ボレアスは内に入ってペースが落ち着いたところでかかってしまいました。それが敗因でしょう。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。