クイーン賞〜名古屋グランプリ(第43回)

クイーン賞 JpnV

 クラーベセクレタは、ダッシュ力があってスタート後にすぐにいい位置につけることができます。こういう馬は、騎手にとっては楽です。1分53秒台という勝ち時計はまずまずですね。牡馬を相手に東京ダービーを勝った馬ですからね、やはり実力はあります。
 プレシャスジェムズは、道中でちょっと行きたがっているところがありました。最後は早めに追ってきていますが、手応えがあっても思ったほど伸びませんでした。今回は休養明けで、14キロ増だったことが原因かもしれません。順調に使われてきた状態だったら勝っていたかもしれません。今後が楽しみな1頭です。
 カラフルデイズも行きたがっていたので、もう少し折り合いがつけば、直線もっとキレるかもしれません。折り合いをつけて、たとえば大井の長い直線になれば末脚が生きるでしょう。



全日本2歳優駿 JpnT

 オーブルチェフはスタートで躓いて、よく落馬しなかったと思います。ペースは、前の2頭、ヘヴンズパワーとメジャーアスリートが競り合って速くなりました。出遅れて、それでも中舘騎手はすぐに押さえて中団の外につけました。出遅れたからといって、追って行って一気に前に行ったのでは勝てなかったでしょう。焦らずに落ち着いてじっくり行けたのが勝因ですね。それも馬が強いことがわかっていて、信頼しているからできることでしょう。向正面で早めに進出しましたが、それもあまり仕掛けて行っているわけではないので、余裕はあったと思います。3〜4コーナーから直線半ばまではムチを入れていません。前走の北海道2歳優駿では、4コーナーから追い出して直線だけで8馬身ですから、今回も普通にゲートを出ていれば、5〜6馬身は離していたのではないでしょうか。骨折していたのは残念でした。無事にドバイに行っていたら、いいレースができたと思います。
 北海道のゴールドメダルはもう少しのところで3着でしたが、それでもこのメンバーで差のない4着はよく走ったと思います。



名古屋グランプリ JpnU

 ニホンピロアワーズは2番手の絶好位につけて、すぐに折り合いがつきました。最後もよく伸びています。こういう長い距離のレースでは、折り合いがつく馬は有利です。ニホンピロアワーズは今後も長距離の路線でかなり期待できるのではないでしょうか。
 エーシンモアオバーはスタートダッシュが速いですね。スローに落として折り合いをつけて、うまく乗っていました。これならという手応えで、勝ってもおかしくはない感じでしたが、今回は勝った馬が強かったですね。
 ボレアスは躓いた感じのスタートでしたが、それでもいい位置を追走していました。4番手あたりにつけて、早め早めに行って手応えも十分な感じでしたが、追ってから最後がまったく伸びませんでした。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。