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第88回 2015年11月20日 ドラールアラビアン
皆さんはドラールアラビアンを覚えているでしょうか?1998年1月に大井競馬場の赤間清松厩舎からデビューし、2001年大井記念で念願のタイトルホルダーの仲間入りをしました。ドラールアラビアンの武器は何と言っても強靭な末脚。2000年の帝王賞では後方から豪快に追い込んで、砂の女王ファストフレンドにハナ差まで詰め寄って惜しい2着だったことは、今でも忘れられません。
今年に入ってからだったでしょうか。何気なく見ていた北海道の獣医師さんのツイッターで、ドラールアラビアンが元気にしていることを知り、この秋に念願叶って会わせて頂きました。
現役引退後のドラールアラビアンはフラット牧場で種牡馬入りしましたが、現在は日高町豊郷にあるキクチファームで、布施光章オーナー所有のまま功労馬として悠々自適な毎日を送っています。
フラット牧場にいた頃は毎年会わせて頂いていましたが、今回会ったのは本当に久しぶり。今年20歳になりましたが、体つきはまだ若々しくて、写真撮影の時は菊池善美さんにずっとジャレついて、生き生きしている姿も印象的でした。「攻撃的な所は一切ないし、友達にちょっかいをかけている感じでしょうか(笑)」(菊池さん)。
今は朝8時から夕方4時頃まで放牧地でのんびり過ごす毎日だそう。放牧地は日高本線と平行している国道235号に面した場所なので、これまでも何気なく見ていた光景の中にドラールアラビアンがいたのかもしれないな……と。
「競走馬の頃は言うことをきかなければいけない生活だったと思いますが、引退した今は何でもわがままをきいてあげるから好きなように生きて欲しいですね」(菊池さん)。
ドラールアラビアンが現役の頃、勝ち切れないレースも多くありましたが、最後まであきらめずに追い込んでくる姿は、多くのファンが魅了されたことでしょう。その頃からこの世界に入った私にとっても、ヒーローの1頭でした。記録以上に記憶に残った馬。
現在20歳、もうすぐ21歳、確実に時間は過ぎているんですね……。またこうやって会えたこと、心から幸せに思います。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など