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第87回 2015年10月20日 スパロービート
サウスヴィグラスの初年度産駒として、2007年8月に川崎の高月賢一厩舎からデビューしたスパロービート。勝ち星は全て1000m以下で、破竹の5連勝で船橋記念を優勝して重賞初制覇を飾ると、ダートグレードレースに初参戦した北海道スプリントカップでは3着。船橋競馬場ダート1000mのレコードホルダーでもあり(57秒5)、2010年に船橋で行われたJBCスプリントでも破られなかった記録……。
スピード感にあふれた韋駄天ぶりは、忘れることができません。
そんなスパロービートは日下部勝徳オーナーのご意向から種牡馬入りをしました。普段は大作ステーブル(新冠)で過ごしていますが、種付け時はアロースタッド(静内)で行っています。
今年、初年度産駒が2頭誕生しました。同じく日下部オーナーの持ち馬で高月厩舎所属として走っていた、メテオロンとの間に牡馬とヌゥードフランスの間には牝馬。
この秋、引退してから初めてスパロービートに会わせて頂きました。現役時代は何でも実になってしまう太りやすい体質だったことから、カイバ以外のもので青草はあまり食べたことがなかったそうですが、今は広い放牧地でのんびりと青草を食んでいました。体はさらに大きくなっていて、種牡馬としての貫録もたっぷり。
お世話をしている大作ステーブルの藤原さんのお話しでは、最初の種付け時は戸惑っていて繁殖牝馬には乗らずに苦労したそうですが、2回目からは上手になったそう。普段から大人しくて手の掛からない馬とのことです。
今年生まれた産駒たちは2017年にデビュー予定。このまま無事に成長して競馬場で会える日が来ることを心待ちにして……。今年も種付けを終えているそうで、来春には二世代目の産駒が誕生予定です。
「初めて重賞を勝たせてくれた馬だし、種牡馬入りできたのは本当にうれしいこと。今度は子供に関わらせてもらえたら最高だね」(高月調教師)。
スパロービートが現役時代に果たせなかったさまざまな夢を、今度は父として叶えていって欲しいです。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など