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第84回 2015年7月17日 モナクカバキチ

写真提供:小須田牧場さん
Profile
 地方競馬の平地最多勝記録55勝を挙げたアングロアラブのモナクカバキチ。

 2001年10月に福山競馬場からデビューし、その後は佐賀や金沢、名古屋、荒尾で走り、再び2008年9月から引退まで福山競馬場で走りました。55勝の中には3つの重賞勝ちも含まれています(55勝記録達成の瞬間は、当時のこのコラムをご覧ください)。多くの人たちに勇気や元気を与え、『中年の星』という愛称がつけられていたのも懐かしいです。

 そんなモナクカバキチは2012年7月のレースを最後に引退し、現在は山梨県の清里にある小須田牧場で過ごしています。

 「今年16歳になりましたが、カイバもよく食べてくれるし健康状態は良好ですね。すごく元気なので、このまま10年以上は長生きしてくれるんじゃないかなって思っています(笑)」と、代表の小須田稔さん。すでに去勢は行っているそうですが、それでも牝馬にはよく反応しているそうで……。

 競馬関係者に取材をしていると、高齢になっても活躍している馬の共通点に馬っけがあるのをよく耳にしますが、そういう気持ちの若さも長きに渡って走り続けた要因のひとつでもあるのでしょう。

 今のお仕事は乗馬の経験者を乗せているそうで、それ以外の時間帯は青草を食べながらのんびりと悠々自適な毎日を送っているそうです。

 小須田牧場さんでは約30頭の馬たちが過ごしていて、このモナクカバキチや菊花賞馬マチカネフクキタル、大井で走っていたトップアンサーなども在厩。

 これからの季節、アブが増えてくるので馬たちにとっては格闘する大変な時期になりますが、人間にとっては避暑地で過ごすのは贅沢な時間。ここはレストランや宿泊施設も併設していて時間を気にせずに馬の近くで過ごすことができるそうで、馬好きにとっては最高な時間を送れますね!

 福山競馬場の宝馬として走り続けたモナクカバキチ。安住の地を得た今、末永く幸せに余生を送って欲しいと思います。

高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など