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第86回 2015年9月18日 キタノダイマジン
この夏、たまたま見ていたフェイスブックの記事で、うれしいことを知りました。『キタノダイマジンが生きている』と。キタノダイマジンは1999年クラウンカップの勝ち馬で、東京ダービーや黒潮盃にも出走した実力馬でした。私もちょうどその年から南関東競馬の世界に入ったため、この年のクラシック出走馬たちのことは非常に印象に残っています。オリオンザサンクスやオペラハット、タイコウレジェンド、サマーシャドウ、女傑ヤマノリアルもいて、豪華メンバーを輩出した年。
キタノダイマジンというごっつい名前とは裏腹に、栗毛に流星といういでたちで、当時の私はメイセイオペラが大好きだったので、そのルックスにも目を奪われました。2001年6月のレースを最後に引退し、そのまま名前を聞くことなく月日が流れていったのですが、まさか10年以上の時を経て、名前を聞くことになるとは……。
ナイスネイチャの生産牧場としても知られる浦河の渡辺牧場さん。今は生産をやめられ引退馬の養老牧場として、馬たちに少しでも幸せを感じて欲しいと愛情をたっぷり注ぎながら面倒を見ています。
キタノダイマジンは渡辺牧場里親会サポートホース第3号として過ごしていて、第1号はナイスネイチャの息子セイントネイチャー、第2号は渡辺牧場さんの生産で川崎所属だったプリティプリンです。
キタノダイマジンは渡辺牧場さんに来る前から、千葉県の牧場でプリティプリンと同じ放牧地に放されていたそうです(セン馬と牝馬なので)。2頭は大の仲良しで、プリティプリンが渡辺牧場さんに帰ってくるときも一緒に入厩。プリティプリンがいなければ、キタノダイマジンがここに来ることもなかったでしょう……。経緯などは、渡辺牧場さんのブログに詳細が出ているのでぜひご覧頂きたいです。
キタノダイマジンも今年19歳になりましたが、健康状態はとてもいいそうで、放牧地に入るとき、入り口の50m手前からダッシュして吹っ飛んでいくこともあったとか……まだまだ走るのは速い?ようですよ。
ニンジンも大好きで、奥様のはるみさんから細かく刻んでもらったモノを、プリティプリンと一緒にボリボリと仲良く食べていました。
本来ならもうこの世にはいなかったかもしれないキタノダイマジン。たくさんの心優しい人たちの出会いによって生かされています。またこうやって出会えたこと自体が奇跡なんだなぁと思うと、キタノダイマジンと同じ空間にいる時間が愛しくたまりませんでした。
渡辺牧場里親会費は1口2000円(月)、ニンジン代やオーナーのいない馬たちに使う一時的寄付なども受け付けているそうです。
渡辺牧場さんのホームページはこちら
渡辺牧場里親会についてはこちら
キタノダイマジンの入厩経緯はこちら
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など