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馬産地の期待を一身に、グランシャリオナイター開幕


 2009年5月20日(水)、グランシャリオナイターが馬産地・門別競馬場でいよいよ開幕を迎えた。
 ホッカイドウ競馬で昨年まで15年間行われてきた旭川ナイトレースに代わるもので、11月19日まで、76日間に渡るロングラン開催となる。

 
優駿ドリームゲート

 当日、競馬場に着いたのは16時近く。“優駿ドリームゲート”と名づけられた正門をくぐり、送迎電気自動車“ホクトくん”でスタンド前に到着すると、ちょうど第4レースのスタートだった。
 
電気自動車 ホクトくん

 意外にお客さんが少ないなあ、というのが第一印象だったが、時間が経つにつれてだんだんと増えてきた。
 大井や川崎のナイトレースでは、仕事帰りのサラリーマンやOLの姿が目立つが、馬産地であるここ門別では、牧場の作業などを終えた地元の人たちが、夕方以降に競馬場に足を向けたということのようだった。

 このグランシャリオナイター開幕の2日間(21・22日)、ミスター・ピンクこと内田利雄騎手が門別競馬場で期間限定騎乗。この日、3レースに騎乗して残念ながら勝ち星は挙げられなかった内田利雄騎手だが、この冬に南関東で騎乗して以来、実戦は約2カ月ぶり。「直線が長い競馬場はいいねえ。強い馬に乗ってれば…」と笑わせてくれた。
 また、この日はJRAとの条件交流が2レース行われ、両レースともに武豊騎手が勝利した。
 内田利雄騎手の紹介セレモニーや、武豊騎手が勝ったレースの表彰式には多くのファンがウイナーズサークルに集まり、さかんにカメラのシャッターを押していた。
 当日はさまざまなイベントが行われていたが、やはりこうして競馬そのもので盛り上がるのは何よりだと思う。
 
 
新スタンド ポラリス☆ドーム

 グランシャリオナイター開催にあたっては、従来のスタンドとは別に、“ポラリス☆ドーム”と名づけられた新スタンドを増築。その中には大型映像装置“JBCビジョン”が設置され、多くのファンで賑わっていた。従来のスタンドではほとんど並ばずに馬券を買えたのだが、ポラリス☆ドーム内の馬券発売機はかなりの行列ができていた。
 
JBCビジョン

 ポラリス☆ドームで期待していたのは、その中にできた2つの売店だ。門別競馬場はこれまで、食に関しては少々寂しい思いをしてきた。新たに開店したうちの1店では、地元ひだかのびらとり牛を使ったハンバーガー、牛丼や、黒豚カレーなどを販売。もう1店は地元の居酒屋による出店で、えび天そば、寿司、コロッケ、もつ煮などなど。かなり選択肢が増えてうれしい限りだ。もちろん生ビールもある。
 
 
明るい走路で繰り広げられる熱戦

 外が完全に暗くなったのは、準メインレースあたりだっただろうか。昨年までの旭川ナイトレースでは、大井競馬場などと比べて照明がやや貧弱だったが、門別競馬場にあらたに増設された照明は、言われていたようにたしかに明るい。ファンにとっても、レースに騎乗する騎手にとっても、不満のないレベルになったと言えそうだ。
 
 この日、メインレースには1000メートルの重賞・エトワール賞が行われた。
 ゴール前の混戦から抜け出したのは、3歳牝馬のクラフィンライデン。ワカオライデンの最後の産駒としても注目を集めていた。
 騎乗していたのは五十嵐冬樹騎手だが、このエトワール賞には騎乗のなかった内田利雄騎手も口取り写真に加わった。今回、内田騎手の所属先となったのが、クラフィンライデンを管理する村上正和厩舎。師とは、地方競馬教養センター時代の同期なのだそうだ。
 五十嵐騎手は勝利騎手インタビューで、「今日、これだけのファンのみなさんが駆けつけてくれた中のレースで勝てて、感無量です」と話していた。
 
エトワール賞(内:クラフィンライデン)
 
 
家族連れなど多くのファンで賑わいを見せる

 発表された入場人員は1,698名。門別競馬場としては、かなり入ったと評価できる数字だろう。
 ホッカイドウ競馬は、存続に向けて今年から来年にかけてが勝負の年となる。こうした賑わいがずっと続いてくれればと願う。
 
 
黄昏に染まる新装門別競馬場
 
取材・文:斎藤修
写真:NAR


 
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