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第104回 2017年3月17日 エスワンプリンス
「お母さんのエスワンスペクターと息子のエスワンプリンスには一生頭が上がりません。自分の名前を広めてくれて、大きな勲章もくれて、本当に感謝しています」と、親子を手掛けた佐賀競馬場の手島勝利調教師は言っています。エスワンスペクターは現役時代に北海道遠征のエーデルワイス賞などを優勝。引退後は広富牧場さん(日高町)で繁殖生活に入り、早いもので6頭の産駒を競馬場に送り出しています。
2番仔のエスワンプリンスも同じ手島厩舎からデビューし、九州ダービー栄城賞など佐賀競馬における3歳重賞三冠や笠松グランプリ、園田FCスプリントも含めて、重賞を10勝。
昨年末に、佐賀競馬から現役生活に幕を下ろしたことが発表されました。手島調教師が懇意にしている大分県の大原馬術場で、第二の生活をスタートさせています。佐賀競馬場からの移動の際には、手島調教師も馬運車に乗って付き添ったそうです。他地区への遠征時もいつも一緒だったそう。
大原馬術場の神志那静清代表のお話しでは、エスワンプリンスは脚元の回復とこれまでの疲れを癒すために、放牧のみで過ごしているそうです。もうしばらくはのんびりして、徐々に乗馬の勉強をしていく予定とのこと。
「まだ8歳ですからこの世界ではこれからですよ。いい馬ですし、今は焦らないようにしています。来年の障害馬術の競技会に出られるように目指していきたいですね」(神志那代表)。
新天地にやって来てから約3か月が経ち、手島調教師も子供さんと一緒に久しぶりに会いにいきたいとお話しをされていました。エスワンプリンスの大好きな青草をお土産に。「これからもみんなにかわいがってもらって長生きして欲しいです」(手島調教師)。
今回、手島調教師にお話しを伺って、愛馬心の強さが端々からたっぷりと伝わってきました。
地方競馬のどの地区も生え抜きのスターホースは宝だと思います。そんな中でエスワンスペクター&エスワンプリンス親子は、佐賀競馬ファンにとってもどれほど大きな存在だったのでしょうか……。
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など